【モザンビーク】一時避難所での様子
ピースウィンズ・ジャパン(以下、ピースウィンズ)はカーボデルガード州シウレ郡の一時避難所で、ニーズ調査のため、新たに避難してきた人々と一時避難所の近隣住民から聞き取り調査を行いました。

一時避難所となっているナミシル小学校では、約2,000世帯(10,000人)の避難してきた人々がいます。ナミシル小学校の地域のコミュニティリーダーのイナーシオさんは、
「トイレが圧倒的に足りません。学校の周りの草むらを見てください、排泄物で溢れています。特に小さい子どもたちが屋外で排泄をしてしまっています。」と言います。
未だ、下痢症やコレラのような感染症は確認されていませんが、このような衛生状況が続けば、健康的に害が出るのも時間の問題です。
また、ナミシル小学校には手動ポンプ井戸が1基あるのみで、全ての避難民がこの井戸に飲み水・生活用水を依存しています。特に朝晩は、井戸は人で溢れかえっているそうです。ただし、全ての避難民の人々がバケツを持っているわけでは無いので、人数の割には混雑は少ないほうだと言われています。

ナミシル小学校の一時避難所では、7月28日からシウレ郡病院の職員によるモバイルクリニック(出張型クリニック)が始まりました。患者さんの中で最も多いケースが「夜間の冷えによる風邪」、次に「屋外で寝ていることによる体(節々)の痛み」だそうです。

一時避難所では、女性ならではの問題もあります。ルイーザさん(37歳)率いる女性グループに話を聞きました。

「私の周りにいる人々は、私の親戚と近所の人たちです。
私たちは、7月28日朝10時に地元の交番が武装勢力によって燃やされたと聞きました。同じ日の朝11時には既にシウレ・ヴェーリョ地区の自宅を後にして、シウレ・セーデへ家族と共に向かいました。ここの一時避難所へ到着したのは、夕方18時でした。ここまで約35キロの距離を歩きました。食糧も洋服も調理器具も何も持って来ずに出てきました。バケツや石鹸も無いので、水浴びもできません。ただ、一時避難所には水浴び場もありません。
この状況は生理中の女性にとって、とても過酷です。
私たちはもともと、カプラーナ(アフリカの布)を小さく切って、ナプキンとして使っています。生理中はこの小さく切ったカプラーナを洗わなければならないのですが、一時避難所にはトイレも水浴び場もないので、この地域にもともと住んでいる人の家でトイレを借りて洗っています。石鹸は無いので、水でゆすぐ程度です。
ただし、洗っても、一時避難所にはプライバシーが無いので、この洗った布を干す場所がありません。そのため、私たちは、腰にロープを巻き付けて、そこに洗った布を巻き付けて、その上に洋服を着て隠して、乾かしています。ここでの衛生環境は最悪です。」

一時避難所の衛生環境の改善を目指し、ピースウィンズはUNICEFの資金でトイレ建設、トラックでの給水支援、衛生啓発活動を行うことにしました。
今、現在も増えている避難してくる人々に対応するために、皆さまからのお力添えをいただけたら幸いです。
※本活動は、皆さまからの寄付によって行われています。迅速な支援を実施するために、温かなご支援・ご協力をお願い申し上げます。