【ミャンマー】いつか故郷に帰りたい ~子どもたちの心の傷をいやす学校~
移民学校に近づくと、先生の言葉を復唱する子どもたちの元気な声が、いくつもの教室から聞こえてきました。授業が終わって、外に出てきた子どもたちは、訪問者の私に気づくと、「ミンガラーバー!(こんにちは)」と、はにかむような笑顔を向けてくれます。
教室には生徒が所狭しと座り、笑い声が響く、どこにでもある学校という雰囲気です。
しかし、精神的に不安定な子どもたちは少なくないようです。
クーデター以前は、「いつか故郷のミャンマーに帰れる」という希望を胸に、避難生活を耐え忍ぶことができていました。
しかし、クーデター後の今では、その希望が遠のき、これからの自分の将来を描きにくくなり、気持ちの落ち込みがある子どもたちは多いそうです。
また、大きな音が聞こえると、物陰に飛び込み、震える子どももいるそうです。
ミャンマーで経験した、空爆の音を思い出させるからです。
タイに避難したあとでも、決して心穏やかに過ごせるとは限りません。
さらに、避難生活が長期化し、移民学校に来る生徒の数は増え続け、教室も先生も足りない状況でした。
移民学校には、心のケアを専門にする職員がおらず、十分なケアができていないことを、先生たちは懸念しつつも、週に一回、絵を描いたり、運動をしたりする日を設けるなどの工夫がなされています。
教室に掲示された生徒の作品
子どもたちは、多くの葛藤の中で、避難生活を送っています。
苦しい状況の中でも、このような移民学校は、自分と同じ境遇、同世代の人と話すことができる、貴重な場となっているとも感じました。
私たちは、子どもたちと、その家族が、少しでも安心できる避難生活を送れるよう、支援を行っていきたいと思います。
◆クラウドファンディングでご支援ください
ピースウィンズでは、タイ国境付近へのミャンマー避難者を含めたミャンマー/タイで暮らすミャンマーの人々のためのクラウドファンディングを実施しています。
皆様からのご寄付は、タイの国境地域をはじめとするミャンマーの人々のための緊急支援活動に大切に使わせていただきます。ぜひご支援よろしくお願いいたします。