【ネパール洪水】136世帯へ緊急支援物資を配布・今後の支援について
8月5日、ピースウィンズ・ジャパンと現地の提携団体ISAP(Institutions for Suitable Actions for Prosperity) は、被災地ラウタハト郡ガウル自治体のムシャハリ村に暮らす136世帯の被災家庭へ、食料、キッチン用品、衛生用品などの緊急支援物資の配布を行いました。
PWJとISAPが活動を行うラウタハト郡では、サルラヒ郡との郡境にあるバグマティ川の氾濫により29人の死傷者、30,596戸の家屋破損、約80,000人に影響が出た(ネパール政府、7月23日発表)。
緊急物資配布の前
今回支援物資を配布したムシャハリ村はラウタハト郡・ガウル自治体の中心街から歩いて10分程で、特に支援を必要としている、社会的・経済的に不利な状況にあって貧しいカースト(民族)の人々が多く暮らす村です。
この地域のほとんどの住民は自分の農地を持たず、農業労働者として働いています。働いた報酬の大部分は農作物で支払われ、彼らは蓄えた農作物を頼りに生活しています。今回の洪水では蓄えていた農作物、キッチン用品、衣類等たくさんのものを失いました。
ムシャハリ村136世帯への緊急物資配布
8月5日ムシャハリ村の近くで被災者への緊急物資配布を行いました。教育機関がちょうど休暇期間中だったため、地域の小学校を借りて物資の配布を行いました。
物資配布は2時間半程で混乱なく終了し、被災者の家庭に無事に物資を届けることができました。なお、配布には地域のリーダー、警察、現地NGOからこのラウタハト郡の郡長まで、様々な人の協力のもと行われました。
物資配布後の被災者の声
物資配布を終え、再びPWJとISAP職員がムシャハリ村を訪問し、被災者の人々へインタビューを行いました。
被災地のこれからと今後の支援について
8月5日の緊急物資配布後に、冠水のため最初の調査では入れなった村、冠水により村人が全員避難していたが水位が下がり生活を再開したという村への視察を行いました。
村全体が屋根上まで冠水し、村人全員が15日もの間堤防の上に避難していた。家の中はまだ汚泥で汚れているため、夜はまだ土手の上で過ごす人もいる(写真左)。食料、キッチン用品等をはじめ、大切にしていた家畜も失った。一部の家は屋根や壁が崩れ、ブルーシートで応急処置をして生活している(写真右)。洪水当時、避難するときに子どもが1人、洪水で路上にあいた穴に気付かずに落ちてしまい亡くなった。
ピースウィンズ・ジャパンは今回の初動調査の結果を踏まえ、「社会的・経済的に不利な状況にあって貧しいカースト(民族)」、「女性が世帯主」、「障がい者やお年寄りのいる家庭」、「子どもの多い家庭」といった、支援を特に必要としている被災者へ目を向けて、緊急支援を継続することを決定しました。
また、ネパールでは11月から厳しい冬が始まります。2017年の大洪水の年は寒冷による風邪と体温低下等によって、多くの子どもたちやお年寄りが命を落としました。被災者の多くは今回の洪水で、冬を乗り越えるためのあたたかな寝具や衣類を失っています。今年の冬も一層厳しくなることが予想されるため、PWJとISAPは寝具等の配布を計画しています。現地政府、支援に入っている他NGOと協力しながら、一人でも多くの被災者へ支援物資が行き届くよう支援を続けていきます。
今回の洪水は被災規模が広く、まだまだ多くの人々が支援を必要としています。
引き続き、支援者の皆さまからのあたたかなご支援・ご協力をお待ちしています。
本調査事業はシャンティ国際ボランティア協会(SVA)と共同でジャパン・プラットフォームの助成金とサポーターの皆様からの寄付金で実施しております。
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た、今回の支援が終了した場合、今後のレスキュー及び被災者緊急支援の準備に活用させていただきます。