【フィリピン・セブ島 地震 緊急支援】被災者の声を聞き、本当に必要な支援を考える。取りこぼしのない支援をめざして

9月30日、フィリピン・セブ島沖を震源に発生したマグニチュード6.9の地震は、死者72人、行方不明者は559人にのぼり、およそ77,000人が避難する大きな被害をもたらしました。
ピースウィンズが運営する空飛ぶ捜索医療団“ARROWS”は、10月1日に緊急支援チームを日本から派遣。現地協力団体と連携しながら被害状況の把握からニーズの調査を進めてきました。
調査エリアを広げ周辺集落も訪問

リゾート地としても知られるセブ島は自然豊かな島で、各市を結ぶ道路は限られています。今回、もっとも被害が大きいといわれている北部のボゴ市は、フィリピン第二の都市といわれるセブ市からおよそ100kmほどの距離ですが、ふたつの市を結ぶ道は1~2本しかありません。そのため普段から渋滞が激しく、さらに今回の震災の影響で通常6、7時間で行けるところが時間帯によっては19時間もかかったという情報もあるなど、渋滞が支援活動にも大きく影響しています。

ボゴ市内に立ち上げられた対策本部には、市街地の被災状況に関する情報は集められつつありましたが、その周辺地域の被災情報はほぼ皆無。そのため空飛ぶ捜索医療団のスタッフは支援の取りこぼしがないように、ボゴ市の中心部だけでなく調査エリアを広げ、できる限り周辺の集落も訪問して被災状況とニーズのヒアリングを続けました。

ボゴ市内も含め、セブ島北部では広い範囲で停電と断水が発生。家が被災した家族は、避難所もしくは路上や空き地などにテントやタープを張り生活しています。しかし、テントやタープの数には限りがあるため、ひとつのテントを複数の世帯でシェアしたり、なんとか雨をしのげる程度にターポリンを張って暮らしている世帯も数多くいます。

現地では、本震の後にもマグニチュード1~4程度の余震が断続的に続いている状況で、多くの被災者は今後の天候や二次災害をおそれています。医療や物資などのニーズよりも、目の前の現実と地震のトラウマから心理的な支援を求める声も多く聞かれました。

被災者は何を求め、今必要な支援は何か。そのなかで自分たちは何ができ、支援するべきか。
情報が不透明ななか、直接被災者の声を聴き、被災状況を自分たちの目で見てきたなかで浮かび上がってきたのが、過酷な生活環境の課題です。空飛ぶ捜索医療団は、北部被災地での現地調査からセブ市に戻ると、可能な範囲で物資調達に奔走。同時に今後、物資を避難者に1日でも早く届けるために、日本の本部メンバーとも密にコンタクトをとりながら現地協力団体と連携し、物資を届ける体制構築も整えていきました。
取りこぼしのない支援をめざして、今自分たちができる支援を考え続け、必要な支援を必要な人びとに届けていきます。皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。
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