【アフガニスタン地震 緊急支援】マグニチュード6.0の大規模地震が山岳地帯を襲う。1,400人以上が犠牲に


8月31日深夜、アフガニスタン東部にてマグニチュード6.0の地震が発生しました。震源地は山岳地帯で、斜面に石などを積み上げて建てられた多くの家屋が倒壊。9月3日の暫定政府発表によると死者数は1,400人を超え、3,000人以上の負傷者が出ていると伝えられています。
ピースウィンズは、発災後すぐに現地提携団体と連絡をとり情報収集を開始。甚大な被害状況を受け、緊急支援を開始することを決定しました。今、被災地はどのような状況なのか。現地で支援活動を行う現地提携団体代表 サビルラ氏に聞きました。
軟弱な基盤の上に建てられた“石の家”が被害拡大の要因に
地震が起きたのは深夜で、私はジャララバードにある家で家族と一緒に寝ていました。震源地からは離れていますが、ジャララバードも大きな揺れに襲われ、すぐに起きて家の外に避難しました。その後も何度か余震が続いていたので家に戻ることができず、家の外で朝まで揺れが収まるのを待ちました。
午前2時頃には、モスクの人たちが拡声器で祈りを捧げるように呼びかけましたが、それがさらに人びとの不安を煽ったようにも思います。余震が起きるたびに子どもたちは泣き叫び、恐怖と不安で朝まで誰も眠れない状況でした。連続する余震で特に子どもたちは心理的に深いショックを受けています。

震災から一夜明けた9月1日には、震源地といわれているクナール州の山岳地帯に向かいましたが、状況はとても厳しいものでした。地震に耐えられるようなセメントでつくられた家はほんの1%以下で、ほとんどの家が石を積み上げて建てられた脆弱な家です。また立地している場所も斜面であることが多く、ほとんどの家が崩壊。土砂崩れで寸断された道路もあり、途中から数時間ほどかけて歩いていかなければならない場所もありました。
発災から3日が経った現在もアクセスできない村がある

残念ながら逃げきれず、生き埋めになって命を奪われた人も数多くいます。これまで1,400人以上が亡くなったといわれていますが、地震発生から3日が経った今でも、道路が遮断され、アクセスできない村もまだあり、被害の全容把握が困難となっているため、全体の死者数、負傷者数はさらに膨れ上がる恐れがあります。

土砂崩れなどで道路がふさがれ、陸路で向かうのが厳しい村には、ヘリコプターによる救助活動も行われています。また、暫定政府、国際機関、人道支援団体やボランティアらによる食料や水などをはじめとする緊急支援物資の配付も始まっています。

家を失った多くの被災者には食料や水だけでなく、生活のあらゆるニーズに対して包括的な支援が求められています。
一部地域では地震によって給水施設などのインフラが破壊され、衛生面の不安なども懸念されています。さらに、まもなく冬を迎える気候も考慮しなければなりません。山岳地帯でも日中は30度を超えることもありますが、寒暖差が激しく、夜には15度以下まで下がります。9月に入ってさらに気温は下がっているとの報告もあり、毛布などの越冬支援も必要となってくるでしょう。

地域や人によってもニーズは異なり、まだ被害の全容が見えてこない今、状況は日々変わります。これからもできる限り被災地域に脚を運び、被災者の声に耳を傾け、本当に必要とされる支援につなげていきたいと思います。
アフガニスタンから日本に伝えたいこと

今年3月に、隣国パキスタン政府による「不法外国人送還計画」再開の発表を受け、今アフガニスタンには帰還民が急増しています。その数は、2025年4月~5月期だけで50万人を超えました。また、イランからの帰還民も年々増加しており、2024年だけでも約100万人が帰還しましたが、イラン政府が2025年2月23日に発表した移民政策の同年3月執行も相まって帰還が加速しています。加えて、近年は干ばつや洪水など大規模な自然災害が頻発し、多くの子どもたちが犠牲になりました。そして今回、さらに多くの命が奪われる大規模災害に見舞われました。
中立な立場で長年アフガニスタンに対して支援を行ってきてくださった日本に対して、親愛と信頼を抱く人がアフガニスタンには多くいます。複合的な要因で困窮しているアフガニスタンの人びとは、支援を必要としています。日本の皆さまの温かいご支援をお願いいたします。
▶アフガニスタン地震の支援活動に寄付する
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