【モザンビーク】サイクロンで被災した人々へ種と農具を配布
2019年3月のサイクロン・イダイによる甚大な被害を受けてから3ヶ月。被災地では、国連やNGOなどの支援団体が、モザンビーク政府と協力しながら、支援を続けています。支援のステージは、水や食糧の配布、医療援助などの緊急から、家屋・公共施設の建て直しや、農地回復などの復旧・復興のステージへと、徐々に前進しています。
3ヶ月がたち、避難所での生活を後にして元の家に戻る人もいれば、住み慣れた土地や洪水で家族を失った悲しみを後にして、川から遠く安全な再定住地域に移り住む人もいます。日々の環境が目まぐるしく変化する中で、定住できる場所に落ち着き、生活を取り戻すまでには、まだ何年もの時間を要すると言われています。
より安心して暮らすことができる将来に向けて、被災した人々自らが立て直しするための技術支援と、未だなお多くの課題が残されている日々の基礎的なニーズを着実に満たしていく物資支援の両面から、人々を支え、励ましていく必要があると感じました。
6月18日、PWJは協力団体モザンビークキリスト教評議会(CCM)と協働して、ソファラ州ニャマタンダ郡メトゥシラ再定住地域での支援を行いました。かつて川沿いに農地と家をもっていましたが、氾濫により家を失い、政府の移住計画によって移り住んできた人々です。日々の生活用水を確保するため、今は給水タンクから水をもらっていますが、他の支援団体によって約45mの深さの井戸工事も進められており、生活環境は徐々に良くなっていく予定です。
その再定住地域で暮らす260世帯に対して、PWJは、将来の生活を見据え、野菜と豆、とうもろこしなどの種子と鍬などの農具を配布しました。
物資配布の準備段階で、コミュニティリーダーが住民リストをまとめてくれたため、配布当日は、準備したリストに応じて各世帯に種と農具のセットを手渡すことが出来ました。配布には、地元の青年ボランティアも協力してくれ、被災したために身分証明カード(ID)を失くした人も多いものの、持っている人はリストへの記入と署名・捺印に積極的に応じてくれました。
物資を受け取ったアブラオ・サムエル・モーセさんは、お孫さんを含めて24人の大家族を養っています。今回の支援に対して、満面の笑みで、「とても嬉しい気持ちです。被災後、種や鍬を手にするのは今日が初めてです。私たちは、川べりの畑地のそばに住んでいましたが、ここへ逃れてきました。畑が洪水にやられて、途方に暮れていましたが、これでまず、土地を再び整えることができます。そして、とうもろこしの種をまくことができます。日本の皆さんに、感謝の気持ちをお伝えしたい。(特に、野菜の栽培に関しては)技術指導をいただけるとありがたいです。これから一緒に、一歩ずつ歩んでいけるように、よいアイデアをいただけたら嬉しいです」と、話してくれました。
アブラオさんをはじめとする被災した人々の希望もあり、PWJとCCMは今後、ニャマタンダ郡に駐在する農業指導スタッフを通して、配布した種子と農具を用いた野菜・穀物栽培の技術指導を計画しています。最後にCCMスタッフが、「被災してからこれまで、配布された食料を節約して少しずつ食べなければいけない状態が続いていたと思いますが、これからは耕して、種をまき、そして収穫して、その後にたくさん食べましょう!」と挨拶すると、人々は嬉しそうに笑っていました。
CCMスタッフから再定住地域の人々へメッセージ
「これからは、受け取って食べるだけでなくもう一度、耕していきましょう」
6月21日、PWJとCCMはソファラ州ニャマタンダ郡デンジャ再定住地域でも、280世帯の家族に野菜と豆、とうもろこしなどの種子と、鍬などの農具を配布しました。
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