【ハイチ】地域住民と協働で2年目の活動を開始!
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、外務省の日本NGO連携無償資金協力の供与資金や、個人・企業のみなさまからの寄付金をいただき、ハイチ共和国南県において2018年から地域住民の自然災害への対応能力の強化と地域開発の進展を目指し、コミュニティセンターの建設を通した災害に強い建設技術の指導や、防災、衛生そしてセンターの運営管理に関するワークショップを実施しています。早いもので2018年3月末から始まった活動も2年目に入りました。
2年目は、2016年のハリケーン・マシューで被害の大きかった南県アニケコミューンの4つのコミュニティを対象に活動を実施しています。アニケコミューンはハイチの先住民の言葉で「山ばかりの土地」を意味する「ハイチ」をまさに代表するような地域で、丘に引かれた未舗装の一本道の先にあります。
まず、地域住民への事業説明と、コミュニティセンター建設地の選定のため、それぞれのコミュニティで住民集会を開催しました。
住民からは、「マシューの時は、事前に注意喚起はあったものの、大災害になるとは思わず家にいた。夜になり雨風が強くなって、ミシミシと音を立てていた屋根がついに吹き飛ばされ、恐怖で震え上がった」、「雨と風で前が見えない中、ずぶ濡れになって避難先を探したが、ほとんどの家が壊滅状態で、倒れていない家を探すのに苦労した」、「(商品作物である)ベチバーが気になって畑に向かったが、強風で体が飛ばされそうになり、自分の命のほうが大切であることに気づいた」など苦境を乗り越えた声が次々と聞かれました。集会には村長や市長も出席し、市長は当時を振り返り、「我々に災害を防ぐ能力がないわけではない。しかし、災害を軽視していたこと、対策を怠っていたことが重大な被害を招いたことは間違いない。今持っている能力をもっと強化し、災害に強い街づくりを目指そう」と住民を激励し、事業への積極的な参加を求めました。
そして、村長や市長の協力のもと、4つの建設地が無事に決まりました。今回の事業の対象であるアニケコミューンは、山がちで傾斜地が多く、広い土地が限られており、選定された建設地の一つも、斜面で住民が豆を栽培している畑です。
こうして選ばれた土地で災害に強い建物づくりの技術研修が開始され、また、近くの教会等を利用して防災対策の研修が始まります。建設作業者としては、経験者以外に初心者や女性も参加しています。当団体のエンジニアが実施する 研修を様々な住民が受講することで 、個人の能力強化だけでなく、コミュニティ全体の強化につなげることが目的です。
ハイチでは、毎年のように被害をもたらすハリケーンや、大きな被害をもたらす地震の発生など、自然災害に対する備えを整えることは喫緊の課題です。PWJは、これからもハイチの人びとに対する支援活動を続けてまいります。皆さまからの温かいご支援を、引き続きよろしくお願い申し上げます。
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