【南スーダン】ゴロム難民居住地区で開始した緊急支援の今

2025年1月に発生した南スーダン国内における対スーダン人の暴動を契機に、ジュバ近郊のゴロム難民居住地区に避難したスーダン人(詳細は先行記事を参照ください)は6,800人を超え、4月現在も拭いきれない暴力の恐怖から、同難民居住地区内の仮設テントで生活を続けています。
ピースウィンズは、ゴロム難民居住地区の水衛生分野の支援担当機関として、当初は避難所となっていた学校など3施設に貯水タンクを設置しました。その後、学校の開校に合わせて、同難民居住地区内の別のスペースに設置された仮設テントの脇に貯水タンクや仮設の給水所を移動するなど、水を使える環境の整備を行いました。また、仮設トイレや手洗い場も設けました。しかし、これまで国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)により手配されていた、貯水タンクに水を運ぶ給水トラックの運用が、2月末に停止しました。これは、米国政府による世界各国・機関への支援資金の停止が影響しています。UNHCRは、本件のような緊急事態に対して追加的な予算を確保して対応することが困難な状況にあります(※事態が深刻なことから優先順位を付けて、限られた事業地・事業内容で緊急支援を行っています)。加えて、予算を確保し年間計画で予定していた同難民居住地区の水衛生分野の支援活動についても、一部の活動の実施を当面見送る措置が取られています。


設置した貯水タンクや給水所も、水が供給されなければ活用することができません。給水トラックの運用が停止してからは、同難民居住地区に以前から住む難民に加え、新たに避難してきたスーダン難民が既存の給水所を利用しています。約15,300人だった居住地区内の人口が、新規流入により1.43倍の約22,000人に増え、給水所には長蛇の列ができています。
水は、飲食など生きるために必要なだけでなく、現地で流行しているコレラをはじめとする感染症の蔓延を防ぐための手洗いなど、基礎的な衛生行動を行ううえでも不可欠な資源です。
ピースウィンズは、限られた資金・資源を活用して、既存の給水設備の修理・整備を行いつつ、基礎的な衛生管理に関する呼びかけを継続しています。
本事業は、個人・法人の皆さまからのご寄付ならびにUNHCRの助成により実施しています。関係者と調整を継続しつつ、引き続き支援を実施していきます。引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。