【日本】備えよう。命を守るために。
「未災地」での防災事業を開始
小学校での防災講座での一コマ。災害時の選択・対応について意見を共有し合う
「大人になったら地震を予測できる物を発明して、一人でも多くの命を助けたい」
「防災に興味がなかったけど、もっと詳しく知りたい」
「帰ったら、家族と非常用持出袋の話をしたい」
これらは、11月にピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が小学校を訪問し、児童向けに防災講座を開催した際の参加者の声です。この時のテーマは「地震と災害時における選択」。一般的な自然災害に加え、南海トラフ巨大地震、そして、災害時に直面する難しい選択・対応について、クイズやグループワークを取り入れ、「防災」ついて一緒に考えました。
PWJは、これまで主に災害後の「緊急支援」「復興・開発支援」に携わってきましたが、2019年より、米国国際開発庁(USAID: United States Agency for International Development)の助成を受け、「防災」に関する支援を行っています。
2019~2020年には、「西日本豪雨被災地における防災能力の強化」を目的とし、下記内容の事業が実施されました。
1. 地域グループや学校での防災研修の実施
2. 地域の防災イベントへの参加や共催
3. 防災に関する情報共有のため、地域団体、住民グループとの会議
4. PWJ医療チームによる、医療会合、災害医療関連、防災イベントでの講義・発表
5. PWJのレスキューチームによる消防との訓練/自治体の訓練への参加
自主防災会主催の避難訓練で、段ボールベッドの組立講座を実施
避難用バルーンシェルターの下で、段ボールベッドの組立体験を実施
2020年12月からは、引き続きUSAIDの助成の下、今後警戒される南海トラフ巨大地震や津波被害などの災害リスク軽減に向け、地域コミュニティにおける防災力の構築・強化を目的とした事業を開始しました。防災には、消防を含めた行政・医療機関はもちろん、ご近所や地域での連携が欠かせません。PWJは、地元の自主防災会や、防災・減災に取り組むNGOといった住民グループと連携し、災害リスクの高い危険地域に住む方々の防災意識・能力の向上に向け、様々な活動・支援を実施していきます。
前事業同様、防災イベントの開催・参加に加え、緊急災害支援「ARROWS」(空飛ぶ捜索医療団)と協力し、被災者の生命と健康維持を含めた災害対応能力の向上を目指して、医療従事者や行政職員に対する訓練を実施します。
また、自治体や住民リーダーからの要請に基づいて、東日本大震災(2011)や熊本地震(2016)、西日本豪雨災害(2018)の被災地と“未災地 (被災経験がない、または将来被災する恐れのある地域)”間の交流を促進し、これまでの体験で培ってきた見識を共有することによる防災能力の向上も目指します。
コロナウイルスの感染拡大が止まらない厳しい状況ですが、事業地の感染状況や感染拡大リスクに配慮しつつ、災害時に一人でも多くの命を守り、被災者が安心・安全な生活が送れるよう、PWJは地域の方々の防災活動を引き続き支援していきます。