【ケニア】3月8日に向けて~女性のためのコミュニティセンターの紹介~
3月8日は何の日かご存知ですか?
日本ではまだなじみが薄いかもしれませんが「国際女性デー(International Women’s Day)」です。1904年3月8日ニューヨークで婦人参政権を求めたデモを起源とし、その後1975年に国連が3月8日を国際女性デーと制定しました。ケニアの難民キャンプでも毎年国際女性デーを祝うイベントが開催されており、難民の女性たちが自国の民族衣装をまとい、歌や踊りを披露してくれるとても華やかな一日です。
この国際女性デーにちなみ、今回は女性と女の子たちが安心・安全に過ごすことができるコミュニティセンターをご紹介します。
ピースウィンズ・ジャパン(以下、PWJ)は昨年(2019年)に日本政府から資金を得たUNWOMEN(国連女性機関)から委託を受け、ケニア北西部のカロベエイ難民居住地区に、難民の女性や女の子たち及びその周辺地域に居住する女性たちをサポートする場としてコミュニティセンターを建設しました。建設には女性も参加し、つい先日センターが完成し、2月19日には地域への引き渡し式が開催されました。このコミュニティセンターにおいて、女性たちは、駐在するカウンセラーに日ごろの悩みなどを相談して心理処方を受けたり、収入源として人気の高い裁縫教室などに参加し、生計向上の支援を受けられる予定です。
コミュニティセンター建設の背景には、カロベエイ難民居住地区で暮らしている難民の世帯主の多くが女性で、世帯主以外は皆子どもたちだけという世帯が多い状況があります。こうした女性たちは、本国から逃れてたどり着いた身寄りもない国で、自分一人で多くの子どもたちを育てていかなければいけない重圧を感じながら日々生活を送っています。厳しい環境にも関わらず、普段悩み事を打ち明けたくても打ち明ける場所や人がいないことで、精神的に不安定になり、これが子どもたちの日常生活にも少なからず影響を与えてしまうこともあります。また、家の中に大人の女性一人しかいない世帯では、夜間見知らぬ人が家に侵入してくるのではないか、という恐怖に悩まされる女性も少なくありません。このような女性たちを支援する場として、このコミュニティセンターの活用が期待されます。
また、コミュニティセンターでは、難民の女性や女の子たち、周辺地域の女性たちが集まり、自由に発言したり、主張したりすることができます。そうした経験を通じて、ゆくゆくは女性たちがコミュニティ内で自分の意見を述べ、意思決定者としてコミュニティ活動に参画できるよう促していくことも目指しています。カロベエイ難民居住地区がある周辺地域は、ケニア国内でもまだまだ保守的で男性優位の社会です。このような場所で、女性が男性と同じように発言の機会を得られ、社会参画ができるようになるまでには、もう少し時間がかかるかもしれませんが、コミュニティセンターの設立が少しずつ社会状況を変える助けになることを願っています。
国際女性デーに先立ち2月19日に開催したコミュニティセンターの引き渡し式には、地域の多くの女性や子どもたちが参加しました。彼女たちの「味方」としてこれから貢献していくであろうこのセンターに、女性たちから大きな期待が寄せられていることを感じました。
日本の皆さまからも、是非エールを送っていただければと思います。
※本事業は、国連機関からの資金や、みなさまのご寄付により実施しています。
ナイロビ駐在員 谷本明美
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口座名義:特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン
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口座番号:普通 1671932
口座名義: 特定非営利活動法人 ピース ウィンズ・ジャパン広報口
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