【ケニア】祝・野外排泄ゼロ化達成!
ピースウィンズジャパン(以下PWJ)は、ケニア北西部、トゥルカナ郡にあるカロベエイ難民居住地区とホストコミュニティで、難民、地域住民、地元政府と協力し、コミュニティ主導の参加型の衛生改善のアプローチを活用して地域の衛生改善、「野外排泄ゼロ化」に取り組んでいます。2019年から現在まで、難民居住地区では98の区画、ホストコミュニティでは17の村で、地域の野外排泄を始めとする衛生の問題、その影響について体験しながら解決策を考えていく「トリガリング」が行われ、CLTS(Community Led Total Sanitation:コミュニティ主導による衛生改善)ファシリテーターを中心にトイレの建設や手洗い器の設置、清潔なトイレの管理など、住民の努力が続けられています。
49の難民居住地区の区画、6のホストコミュニティの村では、その努力が実を結び、郡政府の担当者が一軒一軒の家を回ってトイレや手洗い場があり適切に使われているか、人糞がどこにも落ちていないかを点検する厳格な審査を経て、野外排泄ゼロ化が宣言されました!2020年12月現在、難民居住地区全体の47%の区画が野外排泄ゼロ化を達成したことになります。
11月25日には、ここに至るまでの住民の人々、特にこの活動に尽力してくれたCLTS ファシリテーターやコミュニティリーダーたちの努力と成果を讃えるために、野外排泄ゼロ化達成のお祝い会が開かれました。郡政府の公衆衛生部長や保健の支援団体からお祝いの言葉が送られ、踊りの余興や記念品贈呈もあり、野外排泄ゼロ化を達成した区画や村から集まった200人の住民たち、そして会場の周りでその様子を見ていた子どもたちにとって、皆で成し遂げたことの意義を感じた日になったのではないでしょうか。そして周辺のまだ道半ばの区画、村の人々が、自分たちも続こう!と思ってくれたことを願うばかりです。
お祝いの様子
お祝い会参加者の女性は、「以前、私たちは川や茂みで用を足していました。そしていつも汚臭が漂っていました。でも今は皆トイレを使うので、臭いもなく、外で食事をすることもできます。」と力強く言いました。別の女性によれば、「中には家に子ども用と大人用と2つ、トイレを作った人もいます。トイレの穴には蓋がしてあるので、ハエがトイレの穴から出入りして、病気を人に移すこともありません。」とのこと。郡政府公衆衛生部長からは、以前は頻繁にコレラが流行していたカロベエイ難民居住地区だが、この1年間は殆ど発生していないという報告もあり、皆の取り組みで衛生が改善されれば健康も改善されることが、経験を通して、そしてデータ上でも証明されたことになります。
今年10月にはUNICEF、日本の住宅設備機器メーカーのLIXIL社、PWJとの連携事業「ユニバーサルヘルスカバレッジ(全ての人々が支払い可能な費用にて適切な医療等を受けられる状態であること)のための衛生」も始まり、私たちの衛生改善への取り組みは、牧畜民の人々が暮らすホストコミュニティやトイレビジネスに関わる人々を大きく巻き込んで続いていきます。
難民とホストコミュニティの人々のより衛生的な生活に向けた努力、それをサポートする私たちチームの働きは、皆さんの応援により支えられています。これからも皆さまのご支援をよろしくお願いいたします。
PWJスタッフとファシリテーターで1枚!
※本事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成金や個人・法人のみなさまによる寄付金により実施しています。