【東アフリカ干ばつ】ケニア難民キャンプにてシェルター支援を開始
ケニアの北東州、ソマリア国境から約100kmのところにあるダダーブ難民キャンプは、3か所のキャンプから構成され、世界最大の規模となっています。2012年2月からピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、このキャンプにおいてシェルター(住宅)支援を開始しました。
開設から20年経つダダーブ難民キャンプは、これまで主にソマリアからの難民を受け入れていました。しかし、2011年にソマリアやケニアを中心とする東アフリカ地域を襲った記録的な干ばつによって難民が急増し、UNHCRによると6月から8月までの3ヶ月間だけでキャンプの難民は10万人以上増え、現在は合計で約463,000人が暮らしています。
新たに到着した難民は、今までの難民キャンプでは収容できないため、2011年8月には2つの新キャンプの設置が決まりました。
PWJは、2011年10月に調査チームを派遣し、干ばつの状況を把握するとともに、支援内容、治安対策などについて関係者と協議を続け、2012年2月からキャンプ内のシェルター(住宅)支援を開始しました。
キャンプへ移住した難民には、家族用テントと最低限の医療や食料が提供されていますが、暑さや乾燥など厳しい気候の影響で、テントは半年程度で劣化してしまうため、住宅の建設が急務となっています。このためPWJは、新規設営が進められているイフォ2とよばれるキャンプ内に、国連や関係NGO間で合意された、ISSB(Interlocking Stabilized Soil Block:組み合わせブロック)方式によって、難民世帯用の住宅を120戸建設していきます。
これは従来の土壁の家の構造とは異なり、セメントを若干加えて耐久性を増したブロックを積み上げて作る方式です。コンクリートブロックよりも、地元で手に入る土を多く使うので、費用を抑えることができます。
キャンプ内はまだ学校や井戸、病院などが整備されておらず、PWJスタッフが訪問した際も、難民リーダーたちは「いつになったらテント生活から解放されるのか、十分な食料が手に入るのか」といらだちを隠しきれない様子でした。
ソマリアの内戦終結の見通しが立たない中、繰り返す干ばつと洪水の被害を受けて、最低限の生活すら営めなくなっている人びとに対し、PWJはこれからも支援を継続していきます。
*本事業は、ジャパン・プラットフォームによる資金や寄付金などにより実施しています。