建設進む小学校に高まる期待
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)が活動しているロファ州は、シエラレオネ、ギニアの国境沿いに位置し、内戦では激戦地であったため、各州のなかでも最も多くの難民・国内避難民を出しました。教育を受けるための環境が整っていない村が多く、かろうじて屋根があるだけの小屋のような教室で勉強している子どもたちも少なくありません。PWJでは住居再建支援に続き、教育環境の支援にも力を入れていて、現在はコラフン郡カンボラフン集落で小学校を建築中です。
(C)PWJ/SHITAU MIURA
カンボラフンは岩の多い場所だけに、基礎工事は難航しましたが、無事に終わり、工事は現在、教室の壁のブロックを積み上げる段階へ移っています。
しかし、ここまでの作業には、日本とは違う困難がありました。床へのコンクリ流し込みの前には地盤を固めなければなりません。日本なら、ローラーが1台あれば、あっという間に終わる地盤固めも、ここでは人力に頼るしかありません。村人も連日地盤の突き固めに協力してくれて、ようやく教室床のコンクリート流し込みが開始されました。
(C)PWJ/SHITAU MIURA
床へのコンクリ流し込みが始まってもリベリアはこの時期、雨期。雨の上がるのを待っては、1教室ずつ、コンクリを流し込んでいきました。このタイミングを見計らうのが大変難しく、建設業者、村人、PWJ三者が、毎日空を見上げては一喜一憂しました。基礎工事の規模の大きさに、徐々に工事の大変さ、困難さが理解され、村人は毎日工事現場を訪れては、工事を手伝ってくれました。それと同時に期待もどんどん膨らみ、「新学期に、子どもたちがこのすばらしい校舎で授業を受けるのが楽しみだ」という声が、村人たちから聞こえるようになりました。
(C)PWJ/SHITAU MIURA
避難民生活が長かった村民は、協力しながら自らの手で何かを作り上げる、という機会にこれまで恵まれてきませんでした。この校舎建設を通して、自分達の手で校舎を完成させるという団結ムードが、徐々に高まっているのが現場で感じられました。
新しい校舎は9月に完成の予定です。
※この学校建設は、株式会社三菱ケミカルホールディングスの協力を得て進めています。