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私たちの活動

村の学校を修復−サイクロンが襲った「あの日の記憶」は今も—

ピースウィンズ・ジャパン(以下PWJ)は、昨年5月のサイクロンによって大きな被害を受けた、ボガレ地区マグー郡のブロック2村で、12月下旬から学校の修復を実施しています。
被災後まもなく、村人たちは協力して、流されてしまった校舎の代わりに、集めた古い木材や、プラスチックシートなどを使って小屋を作り、授業を再開していますが、今も学校として使われているその小屋は、床はなく地面がむき出しの状態です。雨が降ると小屋の3分の1は水浸し、屋根からは雨が漏るような状態でした。この学校に通っているのは、42人の中学生と30人の高校生です。

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小屋の中にも水たまり(10月下旬)

(C) PWJ / Masaharu SAITO

学校修復を始める前に村を訪れた際、サイクロンが襲った時の話を生徒たちから聞くことができました。子どもたちの脳裏には、サイクロンの記憶が今も鮮明に残っています。そして、まるで昨日のことのように、私たちにその当時の様子を生々しく伝えてくれました。
「サイクロンが村を襲った時、私は波にさらわれ、流されてしまいました。必死になって流木につかまっていました。1人きりになってしまったので怖かったです。」(タ・ゼン・ラインちゃん・12歳・中学2年生)

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サイクロンの時のことを語るタ・ゼン・ラインちゃん
(C) PWJ / Masaharu SAITO

「サイクロンの時は、妹とお父さんは家の中にいたけど、私とお母さんは波にさらわれてしまいました。雨が背中に当たって痛くて、水が鼻の中に入ってきて苦しかったです。大きな流木に頭をぶつけて気を失ってしまったけど、お母さんが私を離さないで、ずっと木に捕まっていてくれたので助かりました。」(エー・ミャッ・ラインちゃん・12歳・中学2年生)

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サイクロンの時のことを語るエー・ミャッ・ラインちゃん
(C) PWJ / Masaharu SAITO

それから、新しくできる学校についても聞いてみました。「今は座るところがちょっと狭くて、よく人にぶつかってしまう。だれも文句は言わないけど。新しい大きな校舎ができたら、座るところも、勉強するところも広くなって、もっと勉強しやすくなるから楽しみ。」と、うれしそうに笑顔を見せてくれました。

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エー・ミャッ・ラインちゃん(お母さんと妹と一緒に)
(C) PWJ / Hiroko TAKAHASHI

30年ほど前に村の人たちによって設立されたこの学校で、現在教えている先生たちの話によれば、彼らはかつてこの学校で学んだ卒業生なのだそうです。この学校に通う高校2年生たちも、来月には卒業式を迎えます。新しい校舎で彼らの卒業をお祝いできるように、村人とPWJとで力を合わせて建設を進めていきます。

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新校舎を建設中
(C) PWJ / Masaharu SAITO

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