【南スーダン】スーダン難民へ、安全な水ときれいなトイレのある生活を

2023年4月に勃発したスーダン危機を受けて、多くのスーダンからの難民を受け入れている中央エクアトリア州ジュバ郡にあるゴロム難民居住地区にて、国連難民高等弁務官事務所（UNHCR）からの資金を得て、給水衛生支援を実施しています。
 
先日、建設した給水設備やトイレの引き渡し式を、UNHCR、南スーダン政府難民局、また同難民居住地区の関係者を招いて行いました。
 
もともとはエチオピアからの難民が暮らしていたゴロム難民居住地区ですが、スーダン危機を受けて、ハルツームやダルフールをはじめとしたスーダンから逃げてきた人びとが暮らすようになり、人びとが暮らす場所では水を汲める場所が足りない状況にありました。また、トイレがないために茂みなどで排泄するしかなく、学校やヘルスセンターでもトイレ不足が課題となっていました。このため、ピースウィンズは給水設備やトイレの建設を行いました。
 

太陽光パネル式の給水設備にすることで稼働が持続可能に。
 

暑い日々が続くため、飲み水へのアクセスは深刻な問題
 

学校のトイレ、左側は障害者用でスロープと手すりで使用しやすいように
 

学校の校長先生（中央）、UNHCR（左）とともにトイレなどの引渡書に署名
 

建設した世帯用共有トイレ

 
こうした給水設備やトイレを建設しても、正しく使うことができなければ意味がありません。また、支援は永続的なものではなく、困っている人びとが少しでも良い生活を送れるようにする「人びとのためのもの」で、ゆくゆくは人びとが自分たちで維持管理できるようになることが必要です。このため、給水設備を維持管理する井戸管理委員会の設置や、コミュニティで衛生啓発活動を行うコミュニティヘルスワーカーの設置にも取り組みました。コミュニティヘルスワーカーは、平和に共生する環境を後押しするために、スーダン難民とエチオピア難民両方から選び、一緒に衛生啓発活動に取り組みました。
 

井戸管理委員会へのトレーニングの様子。女性の参加は水汲みの役割を担う女性の声を反映させるためにも重要
 

コミュニティヘルスワーカーによる、学校での啓発活動
 

「世界手洗いの日」に参加したコミュニティヘルスワーカー

 
引き渡し式では、UNHCRや南スーダン難民委員会の方から、「ピースウィンズの支援によって、人びとは安全な水へアクセスすることができるようになった」、「迅速に対応してくれてとても助かった」との言葉を頂いた一方で、難民居住地区内の人口が約10,000人に増加した今、継続的な支援の要請がありました。ピースウィンズは現在、追加の井戸掘削や世帯用のトイレ建設、そしてごみ回収にも取り組んでいますが、支援はまだ足りていません。
 
スーダン危機の影響による物価の高騰も相まって、難民だけでなく南スーダンに暮らす多くの人びとが苦しい状況にあります。ピースウィンズはUNHCR、関係機関とともに協力して、難民と、彼らとともに生きる南スーダンの人々に対する支援活動を続けていきます。
 
この事業は、UNHCRからの資金、およびみなさまからのご寄付によって運営されています。引き続き、温かいご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
 
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