帰還後の生活を支援(1)
ピースウィンズ・ジャパン(以下PWJ)は、東部トリンコマレ県でのシェルター配布事業に引き続き、帰還民が帰還先での生活を安定させることを目的とした生計活動支援を7月1日より開始しました。
この事業は、人びとに内戦で失った生活基盤を取り戻してもらうため、各世帯がもともと営んでいた生計活動を再開するために必要な資器材を、彼らのニーズに合わせて配布する支援です。今後PWJは、現地でのニーズが高い畑作、稲作、漁業、家畜飼養、小規模ビジネス(仕立て屋、軽食屋、床屋など)、移動販売(屋台)などを中心に各帰還民世帯が緊急に必要としている資器材を配布していく予定です。
こうした中、クッチャベリ郡バーライユース村で7月27日より支援対象となる人びと(受益者)の選定作業を開始しました。
まず、事業への協力と、事業終了後も受益者が関係各所から適切な支援を受けられるようなサポート体制の構築を目的に、郡長、郡事務所の関係スタッフ、村長、自治会長、農業省スタッフを集めて説明会を開催しました。
PWJスタッフの事業説明に耳を傾けるDS事務所および農業省スタッフたち
(c)PWJ/Daisaku SAITO
その後の受益候補者を集めた説明会には、村長や自治会長、農業省スタッフも参加しました。参加者からは、「私は畑作を始めているが、水ポンプがなくて水撒きするのにも一苦労なんだよ。水ポンプは配布してもらえるの?」、「漁業をしているけど、すべての道具をオーナーから借りているから収入が安定しないんだ。なんとかならないかな。」など様々な質問が投げかけられ、支援内容に対する切実な思いが感じられました。
PWJスタッフの説明を注意深く聞く受益候補世帯(受益者説明会にて)
(c)PWJ/Daisaku SAITO
また、説明会後に行った各世帯へのインタビューや戸別訪問の時にも、自身の逼迫した境遇を切々と語る受益候補者たちがたくさんいました。
真剣にこれまでの経緯を説明する受益候補世帯(戸別訪問にて)
(c)PWJ/Daisaku SAITO
これらの過程を経て、PWJはこの村の43世帯を受益者として選定しました。
覚書の内容をしっかり理解してもらうために詳細に説明するPWJスタッフ
(c)PWJ/Daisaku SAITO
今後も、PWJはトリンコマレ県に帰還した帰還民世帯の生活再建を支援していきます。