【ウガンダ】南スーダン難民住居支援とその課題
以前の記事(https://global.peace-winds.org/activity/uganda/16609)では、国連難民高等弁務官事務所UNHCRが中心となって行う南スーダン難民がウガンダ北部にたどり着いてからの一連の受け入れ過程と、同難民に対するPWJの住居支援、一時的な住居(テンポラリー・シェルター)建設支援についてご紹介しましたが、今回は安全で長期使用可能な住居(セミパーマネント・シェルター)建設支援とその課題についてお話しします。
PWJはアルア県にある難民居住地区において住居インフラ建設支援を担当し、450軒以上の一時的な住居と公共施設整備事業の監督をしています。その際、他分野で活動する団体や国連機関などと調整および協力し事業を進めることが重要です。調和のとれた協働は、援助を受ける人たちへの質の高い包括的なサービス提供につながります。
しかし、ウガンダ北部での南スーダン難民支援における調整は政府も含めて円滑であるといえますが、当然ながら課題も存在します。世界全体の難民支援に対する資金不足は有名ですが、ウガンダ北部も例外ではありません。その結果として、シェルター数が不足し、一時的な住居を長期使用可能なものに変更できないといった課題に直面しています。人道支援の国際基準では、一時的なシェルターを提供されてから6ヶ月以内にPSNとその家族は、保護の観点から安全で長持ちできる住居(セミパーマネント・シェルター)に移ることになっていますが、現実は一時的なシェルターを長く使用しているのが現状です。さらには、住居(シェルター)分野への資金不足により、より多数の難民に対する住居建設軒数を増やすため、一軒あたりの資材が大幅に削減され、その結果として提供される住居は居住空間として十分とは言えない広さにとどまっています。PWJは資材の数を少しでも多く提供できるように調整するといった努力をしてきましたが、多くのPSNの居住環境は不十分であり、それが彼らの脆弱性をさらに強めています。
資金不足からくる提供建設資材の不足は環境へも影響する難しい問題です。PWJが建設するPSN向けのセミパーマネント・シェルター支援では、地元の土を使用した日干しレンガと難民の住居建設のために植林されたユーカリ材木を基本的に使用しています。しかし、提供される資材で建設可能な住居の広さが十分でないと判断した難民の人々は住居を拡張するため、ユーカリ以外の近隣の木を自分で切り、屋根用の草を取り、レンガを自分たちで焼くために近隣の薪を集める事例も見受けられます。これは、環境破壊といった側面にもつながります。こうした資源の不足が深刻になれば、難民と彼らを受け入れたコミュニティ住民との間の争いも増える可能性があります。こうした環境に対する負の影響や難民と地元の住民との争いが起きないよう、他分野の事業実施組織とも協力して、より良い解決策を見出していくことが必要とされます。PWJはこうした中、南スーダン難民に対する支援を行っていきます。
ニェロ・イノセント
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