【ウクライナ危機】「私たちは大きな家族なの」共に乗り越える避難生活
避難所生活が半年を超えるウクライナ人が多くなりつつある、モルドバ共和国キシナウ市内の避難所。
一時的な避難場所としての機能を超えて、腰を据え戦争が終わるまでの “生活を築く場” としての避難所運営が必要なフェーズが既に始まっています。
シネマ避難所もその一つ。100名弱の人々が暮らすこの場所では、住民が日々の生活を繰り返す上で必要なルールが少しずつ出来上がっているのです。
個室の多いシネマ避難所はさながらアパートのようですが、元はといえば古いシネマを改築した避難所。
キッチンはなく、トイレやシャワーも共用です。例えばシャワーは、男女ともが使うため、男性の利用は夜は22:00~23:00と決められています。
「22:00以降しか浴びれないのは眠いなぁ、しょうがないけど」と、おじいさんが目を擦りながら、シャワー室へ入っていきました。
トイレや共用スペースの清掃や管理責任者も、住民間で割り振られ、皆何かしらの役目を負っていました。
食事部屋の清掃、子どもの共有スペースの管理、洗濯機利用の監督、ゴミ捨てなど。
プライバシーの確保できる個室の多いシネマ避難所とはいえ、人々は共同生活の輪の中にいます。些細なことからいざこざが起きることだってもちろんあります。きっと誰かがしてくれるだろうという他力本願ではこの避難所生活を乗り切ることはできないのです。
ある家族のインタビューをしていれば、その部屋には自分の子ではない子どもたちがいることもしばしば。聞けば「この避難所はみんなでひとつの大きな家族なの。お隣さんの子だって頼まれればいくらでも面倒見るわよ」
避難所では今日も誰かが誰かを支え合いながら日々が流れています。
ピースウィンズは、今後もウクライナの人々、そして彼らを支え続けるモルドバの人々に寄り添う支援を届けてまいります。引き続き皆様からのあたたかいご支援をよろしくお願いいたします。