【ウクライナ】困窮するペット3,000匹と飼い主を支援
この1年、ウクライナ国内で避難生活を余儀なくされている人々は600万人を超え、800万人以上が難民として国外に逃れました(UNHCRまとめ)。このような危機の中、家族の一員である犬や猫を連れて避難した人、ウクライナに大切なペットを残して海外に逃れざるを得なかった人、それぞれに苦難の道がありました。ピースウィンズでは、こうした苦しみを少しでも軽減できるよう、人々がペットと共に安心して移動できる手助けをしたり、ウクライナに残されたペットへの支援を行ない、この1年間でのべ3,000匹以上に手を差し伸べることができました。
■予防接種やマイクロチップの壁
ペットを連れて国外に逃れるには、EU各国が予防接種やマイクロチップの埋め込みを義務化していることがひとつの壁になりました。隣国ポーランドやルーマニアといった国々は、特例措置として規制を緩めて、ウクライナの人々がペットを連れて避難しやすいよう配慮しましたが、すべての国でそのようにはなっておらず、結果、置き去りにされたペットも少なくありません。そこで、ピースウィンズは、飼い主がいなくなったペットを保護してシェルターに届け、この1年で105匹の犬と75匹の猫、オウム1羽が新しい家族に引き取られていきました。
■ワクチンとペットフード
日本同様、多くの国では、犬だけでなく人が感染すると深刻な健康被害をもたらす狂犬病の予防接種が義務付けられています。こうした予防接種をはじめ、850回のワクチン接種を含む8,500件の医療支援をこれまでに行いました。
ペットフードの提供も行ないました。戦争の被害を受けたチェルニヒウをはじめとするいくつもの町には、ペットを誰かに預けて避難したいと思っても託す人を見つけられなくて、危険を承知でペットと共に自宅に残る決断をした人や、いったん避難したものの戻ってきた人、また野良猫や野良犬の面倒を見ている人々がたくさんいます。そのような人々に、合計30トンのペットフードを配布しました。昨年6月の配布会に来た女性は、野良猫20匹の世話をしていると話してくれました。集まった人々の作る列の長さがペットのフードに困っている人々の実情を表していました。
自分のペットや世話をしている犬猫のために列を作ってペットフードを受け取る人々
■ペット連れで日本にやってきた人々への支援
ペットを連れて日本に避難してきた方々への支援活動も行ないました。日本にペットを持ち込むには検疫が必要なため、その費用の一部を提供しました。狂犬病予防法により、ペットは検疫のため最長180日繋留されます。日本政府はウクライナから逃れて来る人々のために繋留期間を短縮するなど緩やかな運用をしていますが、定期的な健康診断や検疫所への定期報告、繋留期間中のフード代など様々な費用がかかります。予防接種にも費用がかかるため、こうした費用の一部も援助しました。
キーウ市内の公園で犬と過ごすウクライナの人々
■ウクライナ・チャリティープラー
ウクライナのドッグトレーナーが開発したトレーニング器具「プラー(puller)」をピースウィンズ・ショップで販売しています。レトリーブ、ジャンプ&キャッチなど何通りもの遊び方が楽しめる犬用おもちゃです。お買い上げいただくことで、ウクライナ危機で窮地に立たされるペットの支援となります。
ご購入はこちら。
引き続きのあたたかいご支援よろしくお願いします。