【シエラレオネ】 住民たちに安全な水を/洪水で汚れた井戸2基の修繕を開始(活動動画あり)
シエラレオネの首都フリータウン近郊で昨夏に発生した地滑り・洪水で特に被害が大きかったカニンゴ地区において、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は12月から地域住民が利用するコミュニティヘルスセンターの整備、コミュニティスクールのトイレ建設、地域住民が共用で利用する井戸修繕などの支援を続けています。
毎年雨季になるとカニンゴ地区の河川付近では洪水が発生し、浸水被害が起こります。去年の洪水では地滑りも起き、例年以上に甚大な被害が出ました。PWJは災害直後に現地入りし、被害状況の調査を開始。浸水した共用井戸近くの住民たちは当時をこのように語りました。
「あの日、いつもとは明らかに違う豪雨に危機感を感じ、夜中の3時頃にカニンゴコミュニティスクールへ避難しました。避難するため家を出る時、既にキッチンとバスルームへ水が押し寄せていました。家族全員が無事に避難できましたが、朝の7時には強大な洪水が押し寄せ、家を飲み込んでいました。」(アイシャさん)
被災時の水位を教えてくれたアイシャさん/洪水・土石流で被災した家屋
「土石流の影響で洪水とともに土砂と木材が押し寄せてきたので、とても恐ろしいものでした。」(シェケ・コロマさん)
この大規模な洪水被害は人びとの生活環境にも大きな影響を与えました。この地域の共用井戸は洪水・土石流により泥水や汚染水が入り込んだせいで、飲料水として利用できなくなり、現在は約1時間かけて別の井戸まで飲み水を汲みに行くしか安全な水を手に入れる方法がない状況です。現在、汚染されて飲み水に適さない井戸の水は、洗濯用として使われています。
シェケ・コロマさんと奥さん
PWJは現地パートナー団体CEDA(Community Empowerment and Development Agency-SL)と協働で、井戸水を再び飲み水として利用できるよう井戸の修繕を行っています。さらに、これまでは蓋をしただけの手掘りの井戸でしたが、洪水時でも外から汚染水が入り込みにくい仕様を施しました。これにより住民が安全な水を利用できるだけでなく、汚水が招く感染症の予防にもなります。
共用井戸修繕直前の様子/修善作業進行中の様子
現在、2基の共用井戸の修繕作業を進めています。今後は地域住民が自分たちで井戸の管理を行っていけるよう講習を開くなどして、衛生環境の向上も目指していきます。
PWJ活動映像はこちら↓
本事業はジャパン・プラットフォームの助成金とサポーターの皆様からの寄付金で実施されています。
シエラレオネ事業担当 佐藤、山本