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私たちの活動

【パレスチナ】職業訓練校にて、訓練生の修了式を行いました!

ガザ地区は、2007年からイスラエル等による封鎖が続いており、経済的な困窮、高い失業率、慢性的な電力不足等の問題に直面しています。

若者の失業率が60%を超えるほどの厳しい状況の中、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、ガザの将来を担う若者たちの仕事の機会が増えるよう、職業技術訓練校(CTTC)を運営しています。

2019年3月から2020年2月までの1年間(計2学期)に、計544名の若者が、①5つの専門コース((a)太陽光発電システム、(b)家電製品修理、(c)携帯・スマートフォン、(d)コンピューター、(e)マルチメディア)、②ビジネススキルの必修コース、③地元企業でのインターンシップの3つのプログラムを履修し、職業訓練を修了しました。

今回は、5名の修了生の声を紹介いたします。
1.ダリア・ファラーニさん
専門科目:グラフィック・デザイン
 


【ダリア・ファラーニさん】

 
私は、大学で教育学を専攻していましたが、今ガザで教師として仕事を得るのはとても難しく、大学を卒業後も無職のまま過ごしていました。

CTTCの情報を教えてくれたのは、大学時代の友達でした。教師としてのキャリアは現実的でないので、専門技術を身につけて、それを元に仕事を得たいと思い応募しました。

この訓練は、私の人生を変えてくれました。グラフィック・デザインは初めてでしたが、一生懸命勉強し、日々技術が身につくことに喜びを感じました。そして、私の作品を見て、いろんな人が「ワォ!」と驚いてくれたことで、自信もつきました。

さらに、訓練終了後には、インターンシップをした企業が私を採用してくれて仕事を得ることができました。将来は自分の会社を興せるように、経験を積んでいきたいです。

2.アラー・アブハダブさん
専門コース:家電修理コース

 


【左:PWJ現地事務所代表・右:アラー・アブハダブさん】

 

私は、親戚からCTTC のことを聞いてすぐ、コースの内容や応募要件を聞きにCTTCに行きました。大学では電子工学を学んでいたので、家電修理コースを選びました。

大学の授業はセオリーが中心でしたが、このコースでは、セオリーだけでなく実技もたくさんあって良かったです。特に、ハードウェア、ソフトウェアの両方を学べる内容だったので、とても実用的でした。

今は、インターンをした企業のガザ市内の支店で働いています。自宅のあるラファからガザ市内まで通勤に1時間かかり大変ですが、仕事を得られたことがとても嬉しいです。

3.ハッサン・マンスールさん
専門コース:グラフィック・デザイン

 


【ハッサン・マンスールさん】

 

友人からCTTCのことをきいて、応募を決めました。

大学では、グラフィック・デザインとマルチメディアを専攻していたので、グラフィック・デザインのスキルをさらに向上させるために、このコースを選びました。

CTTCでは、講師の方々の教え方が素晴らしく、たくさんのことを学びました。訓練終了後に内定を得た仕事は、残念ながら条件面で折り合わず辞退しましたが、今は、獲得したスキルを活かして、起業を目指しています。

4.ハニーン・クッラードさん、シュリン・スウェダンさん
専門コース:グラフィック・デザイン

 


【左:ハニーン・クッラードさん・右:シュリン・スウェダンさん】

 

私たちは難聴という障害を持っています。これまで何度も職業訓練校に応募しましたが、障害を理由に断られてきました。

CTTCは初めて私たちを受け入れてくれた職業訓練校です。そして、最後の学校だとも思います。大学でコンピューターを専攻したことと、専門コースの中で、唯一私たちが参加できそうだと思ったことから、経験はありませんでしたが、グラフィック・デザインのコースを選びました。

授業では、先生の言うことを理解するのに苦しみました。先生に言いたいことが伝わらないこともありました。でも、周りの訓練生が手話でサポートしてくれたり、授業が終わってから授業の内容を全てノートに書いて教えてくれたりして、助けてくれました。

インターンシップでも、上司の言うことを理解するのが難しかったです。
インターンシップ後に職を得ることは障害を理由に叶いませんでしたが、今後も練習と実践を積み重ねて技術を高めていきたいと思っています。

私たちと同じ障害を持った人は他にもいます。難聴は周囲の人に誤解されやすく、こういった職業訓練校への参加も怖くてできないという人が多いです。CTTCでは障害者へのサポートを更に強化し、障害者も参加しやすい環境づくりをしてもらいたいです。
 
 
今年度も、PWJは、ガザ地区の若者たちへの職業訓練の提供を実施しています。
みなさまからの継続的なご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

※本事業は、皆様からのご寄付のほか、外務省日本NGO連携無償資金のご支援を受け、実施しています。今後とも、温かなご支援をよろしくお願いいたします。

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