【南スーダン】感染への不安から自由に―新型コロナウイルス感染症予防支援事業
「私は今まで頭痛がしたり風邪のような症状になると新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)感染の不安に陥りましたが、今はプロジェクトによって清潔な水を使用し、正しい手洗い方法を実践し、COVID-19 についても知識を得ることができました。周りの人たちにも安全な水で適切に手を洗い、清潔な水を飲むように勧めています。」 (国内避難民青年グループ代表 マルコ)
「国内避難民はプロジェクトのおかげで、今では感染症の危険性を理解し、そのための予防対策を実行するようになりました。」 (医療施設スタッフ ガトルーク)
ピースウィンズ・ジャパン(以下PWJ)は昨年11月からジャパンプラットフォームの助成を受け、南スーダンでの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の深刻化に対応して「南スーダンにおける新型コロナウイルス感染症予防支援」事業を実施してきましたが、2021年6月30日に無事に事業終了を迎えました。
首都ジュバの人口過密状態にある国内避難民キャンプでは、COVID-19感染予防衛生啓発活動と共用トイレの維持管理活動を実施しました。COVID-19感染予防衛生啓発活動としては、キャンプ内に手洗いタンクを設置し、手洗いの重要性を避難民住民へ伝えたり、手洗い用の水の補充やタンクの管理を行ってもらう避難民自身による対応チームを結成してもらいました。
<マハド国内避難民キャンプ:子どもたちに手洗いタンクの使用法を教える対応チームメンバー>
また中央エクアトリア州および東エクアトリア州内のPCR検査およびCOVID-19治療等を行う合計7カ所の病院や保健センター等の医療施設では、太陽光パネル式給水施設の改修および建設、共用トイレの改修および建設を行いました。それらの共用トイレを適切かつ安全に使用してもらうために清掃道具や清掃用水の提供を行いました。さらにCOVID-19陽性入院患者400人に対し衛生キットを配付しました。
これらの活動により5万人の国内避難民及び12万人の医療施設利用者(職員および患者)の衛生状態が改善し、さらにCOVID-19の更なる感染拡大の予防とリスクが軽減されました。
<ロコン保健センター:建設した太陽光パネル式給水施設>
<オウィニキブル保健センター:共用トイレを建設>
<ジュバ保健科学研究所:共用トイレ清掃用具の提供>
PWJ南スーダン事務所の現地スタッフ、ニャコは以下のようにコメントしています。「治安の悪い時期や地域があったりして、事業活動を遂行することが難しいこともありましたが、避難民キャンプではキャンプ運営委員会と協力して事業を実施してきました。子どもたちが喜んで手を洗っているのを見ると、感染症対策そして健康状態を改善していくことにつながっていて、とても嬉しく思います。私たちの事業活動により、キャンプ内でのCOVID-19感染は低く抑えられています。」
本事業は終了しますが、PWJは今年3月より開始しているCOVID-19感染予防のための南スーダンの医療施設や公共施設における給水衛生支援は、今後も継続していきます。まだまだ猛威を振るうCOVID-19の感染予防のために、PWJは活動に励んでまいります。引き続き応援をどうぞよろしくお願い致します。