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私たちの活動

除隊兵訓練-心理面の回復に大きな役割

スーダン南部ジュバで、2009年9月から12月までに日本の国際協力機構(JICA)によって実施された元兵士を対象とした職業訓練事業を、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)高橋裕子がJICA専門家として担当しました。今回の事業は、本格的な事業に先立つパイロット事業としての位置づけから、3カ月という比較的短期間のものでしたが、元兵士の心理面の回復に果たした役割は大きかったようです。その一端をレポートします

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修了式でパフォーマンスをみせる食品加工コースの元兵士たち (C)PWJ

南スーダン政府が国連開発計画(UNDP)とともに大規模なDDR(武装解除・除隊・社会復帰)プログラムを開始したのは2009年6月。元兵士が市民として職を得て、少しでも早く安定した生活が送れるよう支援することは、政府・市民社会の重要な課題です。このプログラムの一環としてJICAは2009年9月、南スーダンでいち早く元兵士に対する職業訓練を開始しました。
参加した2人の元兵士に、感想を聞いてみました。

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サチュリーノさん(写真左)とムム・デン・リンさん (C)PWJ

木工コースを受講したサチュリーノ・シーザー・ロチアさん(男性、48歳)は、24年間軍隊にいました。
「軍隊時代は、毎日銃を持って戦っていました。除隊後は、食べ物もお金もなくて、生活は苦しいです」
職業訓練が始まってもいいことばかりではなかったようです。「訓練が始まってしばらくは、一般の訓練生がわたしたち除隊兵に対してひどいことをいってきました。だけど今は訓練が楽しいし、訓練で得た技術で職をみつけることができるから、そんなに生活が大変と思わない。他の訓練生ともうまくやっていけるようになりました。」

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木工の訓練を受けるサチュリーノさん(左) (C)PWJ

7人の子どもの父。上は14歳から下は2歳まで。男の子が4人、女の子が3人。
「子どもを学校にやらなくちゃいけないので、訓練が終わったら一生懸命働いて、お金をかせがなきゃいけない」と話してくれました。
そのサチュリーノさんは無事3ケ月のコースを修了し、今後ジュバの家具製造・販売業者で働くことが決まりました。
縫製コースを受講したムム・デン・リンさん(女性、29歳)は、13年間、軍隊にいて、軍人の傷の手当てなどをしていました。夫は内戦中に行方不明になったきり。除隊後、2人の子どもを抱えて、知り合いの家を転々としたり、物乞いをしたりして生活をしていました。
「除隊後の生活は本当に苦しく、自殺すら考えたことがあります。今回このような機会をいただいて、ことばにできないくらい感謝しています。くじけそうになっても、講師の先生方や仲間たちがいつも励ましてくれて、ここまで続けてこれました。訓練が終わったらジュバでお店を開いて、一生懸命働きたいです」

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ミシンを踏むムム・デン・リンさん (C)PWJ

ムムさんは、訓練開始当初は精神的に不安定な状況で、カウンセリングを受けたときには涙を流しながら自分の境遇などを話していたようです。しかし仲間に支えられながら訓練を続けることによって、「自分の将来に希望が持てるようになった」といいます。
女性が多く期間が短かった食品加工コースは、11月20日に一足先に修了式を迎えました。そして12月14 日には、他のコースが合同で修了式を行いました。食品コースの受講生も合わせると、元兵士63人を含む139人が卒業を迎えることができました。彼らの表情は本当に晴れ晴れしく、充実したものでした。

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