【パキスタン】「胸まで浸かって逃げた」大洪水の中子どもたちは
昨年夏の大洪水被害に今も苦しむ、パキスタン。
ピースウィンズは、発災直後から現地調査を開始し、物資支援等を行っています。
2023年1月に現地視察をしたピースウィンズカメラマンより、被災地のレポートをお届けしていきます。
洪水による被害が未だ大きく残る、ダドゥ郡 ザファルアバード村で取材中に国旗の建てられた一棟の小さな建物が目につきました。それは1~5年生が通う小学校でした。教室は2部屋しかない小さな学校です。
ちょうど昼休みとのことで中を見せてもらうと、子どもたちが集まってきました。教室に机はなく、長椅子が置かれただけの簡素な教室。先生に話を伺うと、隣の教室は黒板が流されてしまい、壁も剥がれているので今は使っていないとのこと。1つの教室でどうにかこうにか授業をしているそうでした。
この村の水が完全に乾いたのは、約2ヶ月前。子どもたちはそれまでの間、近隣の町などに避難をしていたといいます。先生たちは、洪水は大人の背をゆうに越す2m近くまで達したと水の高さを指し示してくれました。胸まで水が来て逃げたと話す女の子もいました。
現地で活動をする医療系国際NGOの職員は「子どもたちには心理ケアの専門家が必要」と話します。
「現在も水が引いていない地域がある中で、6月には次のモンスーン期がやってくる。再び雨が降り出す時、それが子どもたちのトラウマを呼び起こすトリガーになってしまうのでは」と懸念を吐露しました。
世界5位、2.4億人という人口を誇るパキスタンで、14歳以下の占める割合は国民の36%を超えます(参照)。24歳まで引き上げれば、その割合は60%近いです。
未来ある若い世代を守るため何が必要か、今は世界が協力しあってその答えを出していく時であると考えます。
引き続きピースウィンズは、パキスタン洪水の被害に遭われた人びとを支援していきます。
みなさまのあたたかいご支援が力になります。ご協力どうぞよろしくお願いいたします。