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私たちの活動

【ウガンダ】女性たちが希望を編むバスケットづくり

11月下旬のある晴れた日、ウガンダ西部に位置するチャカII難民居住地区でピースウィンズ・スタッフが訪れたのは、女性たちが賑やかに話しながら作業するセンターです。この日、国連人口基金(United Nations Population Fund 以下、UNFPA)からの助成を受け、現地NGOのACORD Ugandaとともに実施する活動の一つ、2週間にわたって行ってきた、バスケットづくりトレーニングの最終日を迎えました。
 

おしゃべりに花を咲かせ、時に手遊び歌を交えながらバスケットを編む女性たち

 
特に難民居住地区では、女性たちがジェンダーに基づく暴力をはじめとした脅威にさらされる「社会的、経済的に弱い立場」に置かれやすいことが課題になっています。すべての女性が、自分の足で立って歩けるような収入源をもつことができる社会を目指して、ピースウィンズは、これまで啓発活動や収入につながる技術を習得するための技術トレーニングに取り組んできました(参考:ピースウィンズHP『【ウガンダ】「男性に頼るのではなく、責任を共有していきたい」女性センターでの研修』)。
 
今回、UNFPAからの助成を受け、そうした「社会的、経済的に弱い立場」にある女性たちに対して技術トレーニングを行うことになりました。そこで、収入を得ることに繋がる技術にはどんなものがあるだろう、と他支援団体と話し合ったところ、技術の習得の容易さや需要のある物をつくること、また女性たち自身の興味関心などを考慮して、カラフルなPP(ポリプロピレン)バンドを使ったバスケットづくりを行うことにしました。必要なものは、PPバンドとはさみだけ。耐水性があり、強度の高いバスケットができます。
 
チャカⅡ難民居住地区には、女性や女の子が自由に安心して過ごすことができる「女性や女の子のためのセンター」がいくつかあります。このうちの2つのセンターにて、バスケットづくりのトレーニングを開始しました。
 
このトレーニングを受けるのは、隣国コンゴ民主共和国(以下、コンゴ民)などから逃れてきた難民、そして難民居住地区に住むウガンダ人の女性、計20人。講師は、母国であるコンゴ民で祖母から作り方を習ったという難民の男性と、彼からバスケットづくりを習ったウガンダ人の女性です。
 
トレーニング初日、心なしか緊張した面持ちで講師の前に座る女性たち。模造紙に描かれたバスケットの構造を理解する座学から始まります。ある程度仕組みを掴むと、次はめいめいPPバンドを選び、実際にバスケットを編む練習です。コツをつかみ、上達の早い受講生は、3日目にはもうこれほどまで編めるように。
 

真剣な表情で編み進めるトレーニング3日目。一本入ったピンクのラインが素敵です

 
トレーニング開始から2週間後の最終日、たくさんのバスケットの完成を楽しみに1つ目のセンターを訪れると、到着するなり、トレーニングを修了した喜びと、歓迎の舞!
手に手に色とりどりのバスケットを持って、歌い踊ります。(※この様子は、ウガンダ事業のInstagramにてご覧いただけます。)
 
完成品を見て、その見事な仕上がりと、センスの光る色使いに、スタッフも思わず「買いたい!」と声が出ました。
 
丁寧に教えてくれた講師へも、笑顔と拍手が贈られます。
 

初日とは打って変わって、リラックスした雰囲気で笑顔いっぱいのセンター

 
さて、もうひとつのセンターでは、屋外で黙々と、女性たちがさまざまなデザインのバスケットを編んでいました。屋外で作業に没頭する女性たちの背後から、足をかばうようにして現れた比較的高齢の女性。どうしたのだろうと足元を見ると、立って歩くのが困難であることがわかります。
 

足の心配をせずにできると話してくれた女性

 
彼女が、ふと顔を上げてこんなことを話してくれました。
 
「(これまで他の人が受けてきた)裁縫トレーニングには、参加できませんでした。(足が悪いので)足踏みミシンが、自分には使えなかったから。けれど、このバスケットは、そんな自分にも作ることができました。この足の障害を気にすることなく、技術を得ることができました。」
 
そして、まぶしい笑顔を見せながら、
 
「本当に感謝しています。このトレーニングを受けられて、ほんとうに良かった。」
 
との言葉をくれました。
 
20人の女性たちそれぞれ、時に乳飲み子を抱えながら、歩き回る子どもをなだめながら、自身の障害と向き合いながら、夢中で続けてきた2週間。ここで得た技術を活かして、独自のデザインを考え、実際に販売して、安定した収入に繋げていくには、きっとまだまだ試行錯誤が必要です。
 
誰に売るのか?どんな色やデザインが売れるのか?ほかの作品との差別化は?
 
沢山考え、お互いに協力し合い、時に失敗し、ひとりの女性として、製作者として、家族を支える一員として、一歩一歩進んでいく女性たち。その歩みを、彼女たちのそばで、見守り支えていくために、現場の私たちにできることを、これからも考え、行動に移していきます。
 

大事な作品を持って、晴れ晴れとした笑顔で

 
この活動は、先月(2024年11月)ご紹介した事業の一環として、日本政府ならびにUNFPA資金、そしてみなさまからの温かいご支援によって行われています。
ともにできることを、考えていきませんか。

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