ACTIVITY
私たちの活動

ミャンマーMYANMAR

ミャンマーでの活動

ピースウィンズのミャンマーでの最初の活動は、2008年5月に発生したサイクロン「ナルギス」の被害者に対する緊急救援でした。

台所用品や衣類など27品目が入った緊急生活物資を10,000家族に配布し、続いて復興支援として道路や学校、僧院などのインフラ整備支援や生計支援を1年以上に渡り行いました。

 

その後、2011年以降にミャンマーでは政治状況が大きく変化し、民主化への道を歩み始めています。
半世紀以上に渡り武力対立をしていた中央政府と少数民族との間では和平協議も進展し、隣国タイに逃れている約12万人のミャンマー難民(主にカレン族)が近い将来に帰還することも現実味をもってきました。

 

こうした状況下、長期の内戦により社会開発が遅れ、また、難民の帰還先になると目されるカレン州の村において、水不足となる乾季(10~2月)でも地域住民が安全な飲料水にアクセスできるよう、ピースウィンズは井戸などの給水設備の建設や修繕を行う事業を2013年にスタートさせました。


乾季の水不足の一方で、カレン州では雨季(6~9月)になると大量の雨やインフラの未整備のために河川の氾濫などから洪水に見舞われる村が多いため、2014年からは防災事業も開始しました。
防災連絡調整会議の開催、村の防災計画の策定、早期警報システムの構築、防災訓練などを実施しています。

 

2015年、豪雨に襲われたミャンマーは全土で大規模な洪水被害が発生しました。ピースウィンズは被災地での緊急救援物資の配布に引き続き、被災者の生活再建のための被災農地の再耕、損壊した衛生関連設備(トイレ、井戸など)や学校施設の修繕、防災設備(種子シェルター)の建設など、早期回復支援事業を展開しています。

 

2021年2月、ミャンマーで国家非常事態宣言が発令されました。状況は悪化の一途をたどり混乱の終息が見えません。(2021年3月時点)
一般市民にも大きな影響が出ていることから、ピースウィンズは、ミャンマーでの緊急支援を開始しました。

ミャンマーの基礎データ

大陸・エリア
アジア
国・地域
ミャンマー連邦共和国(Republic of the Union of Myanmar)
首都
ネーピードー
面積
68万平方キロメートル(日本の約1.8倍)
人口
5,114万人(2019年推計(ミャンマー入国管理・人口省発表))
言語
ミャンマー語(公用語)、シャン語、カレン語など
民族
ビルマ族(約70%)、その他多くの少数民族
宗教
仏教(90%)、キリスト教、イスラム教等

ミャンマーで解決したい課題を教えて!

ピースウィンズは、長期の国内の混乱による影響から開発の遅れがちなカレン州などミャンマーの南東地域を中心に、乾期(10~5月)の水不足を解消し地域住民が安全な飲料水にアクセスできるよう、水供給設備の建設や修繕、住民の衛生環境の改善を行う事業を2013年から2022年末まで実施してきました。

その後、2021年以降にミャンマーでは政治状況が大きく変化し、治安の悪化や社会・経済活動の停滞などが顕著になり、一般市民の生活は一向に改善の兆しが見られず、全国的に国内避難民の数が200万人を超える(2023年11月時点)など事態はより深刻化していきました。
ピースウィンズは、ミャンマーでの国内避難民とタイ側へ避難した人々へ人道的な緊急支援を開始しました。

ミャンマー国内の政治的な混乱は、国内のみで解決するのは困難で国際社会からの支援を必要としており、それに貢献できるよう支援が必要な人々へのアクセスや支援をする方法を工夫し効果的に実施してきました。

今後もミャンマーの人々の平和で安定した暮らしが戻るよう支援したいと考えています。

ピースウィンズの活動を通して、改善されたことを教えて!

ピースウィンズのこれまでの支援活動は、開発型の活動として対象となるコミュニティの発展を中心に実施してきました。

水供給施設の整備や住民の衛生環境改善事業では、事業の終了後も持続的に成果を発揮するよう、対象となる村の中でリーダーシップを取っていく委員会を設立し施設を維持管理できるようにしました。
また村人は水供給に関わることのみでなく、保健や教育に付随するインフラの整備や環境、農業など村の開発全体に対しても、課題の発見から、意見の集約、計画の策定、実施システムの構築など、ただ支援を受動的に待つ姿勢ではなく自ら主体的に行動する力を付けていきました。

現在実施している人道的な緊急支援では、政治的な混乱により分断されてしまったコミュニティが再建されるよう、ピースウィンズでは特定の政治、民族、宗教、グループ、主義、主張に基づくことなく、被災した人々の支援に当たっています。
このことにより例えば食糧支援では、これまで敵対していた同じ村の住民同士が相互にサポートして理解し合うようになるなど、再建されるべき新しい地域社会が芽生えつつあります。

今後活動を続けるにつれ、より改善できそうな所は?

ピースウィンズの水供給施設の整備事業では、施設を使用する住民を対象にするだけでなく、給水施設の建設にかかわる技術力を対象地域のエンジニアや行政担当者に移転するということにも注力してきました。

例えば、井戸掘削や丘陵地からの湧水を利用した水供給事業の建設作業を伴う場合、現地の業者のみだと技術的な課題が残るケースが散見されていました。そこでピースウィンズのエンジニアが施工管理を行い、業者に技術力を移転していくことで安定した水供給ができるようになりました。

事業終了後も高品質の成果物を実現させるため、こういった継続していきたいと考えています。

また現在のミャンマーの全国的な混乱に対しては、これまでのピースウィンズの活動を通して得られた知識や経験、人的なネットワークを活用することで、より広範囲かつ効果的に必要なところへ支援が届けられるよう活動を計画しています。

そして今後の地域社会の復興ということを考慮して、一時的な支援ではなく、中長期的な市民生活の改善にフォーカスし事業を継続していきます。

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ピースウィンズは世界各地で起こる紛争や災害などの危機に
いち早く駆けつけ、危機にある命を支援します。
また、傷ついた命が自分たちの力で歩んでいけるよう、
復旧・復興・開発に寄り添います。

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