【バングラデシュ】リハビリテーションの専門家による難民キャンプ内の家庭訪問
難民キャンプで生活する上で、生まれつきや怪我などによる障害で、身体的に不自由がある避難民は、特に生活のしづらさを抱えています。そこで今回、日本からリハビリテーションの専門家を派遣し、難民キャンプ内とホストコミュニティの両方の地域で障害を持つ人々の家庭を訪問しました。避難民の方々の生活を踏まえた、具体的なアドバイスが専門家より提供されました。
今回、日本からはるばるバングラディシュのコックスバザール難民キャンプまで来訪したリハビリ専門家は、J-Workoutの浅見さんです。(https://www.j-workout.com/)
今回訪問した女性は、約一カ月前に脳梗塞の疑いで右半身が麻痺し、その後寝たきりになってしまったそうです。専門家が詳しい経緯の確認や、現時点で身体がどれくらい動くかを診ていきました。すると、適切な運動をすれば、椅子に座ったり、簡単な手作業をしたり、将来的にはまた歩ける可能性もある!とのことでした。
しかし、もともと女性が率先して外出する文化ではない宗教的背景もあること。外へ出たとしても、難民キャンプの中は公園等もなく、モチベーションとなる外出先がないこと。そもそもキャンプ内は足場がとても悪く、自由に動ける私たちでさえ移動に苦労することもあります。そんな中、具体的な運動方法を伝えると共に、寝たきりの女性やその家族を鼓舞し、家族全体で運動に取り組む気持ちになってもらうことがとても重要です。
この女性に尋ねると、以前は家族のために料理をするのが好きだったそう。
そこで、専門家は「お母さん、座れるようになって、手が少しでも動いたら、野菜を切ったり、料理の準備を娘さんと一緒にできますよ。お母さんの手伝った料理をまた食べられたら、皆も嬉しいはず!」と鼓舞していました。この女性もにっこりと頷いてくれました。
難民キャンプ内においてリハビリテーションを必要とする避難民のサポートは、決して充分ではありません。私たちピースウィンズは、診療所のスタッフ、避難民とホストコミュニティの地域住民によるコミュニティボランティア、そして日本の専門家をはじめ、あらゆる人々と協力してどんな人も排除しない難民支援を目指していきます。
本事業はジャパン・プラットフォームからの助成金や個人・法人の皆さまによるご寄付金により実施しています。引き続き、皆さまからの温かいご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。