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【バングラデシュ】被災した2県で裨益者選定と緊急物資配付を開始しました

ピースウィンズは2024年8月末のモンスーンによる洪水被害で大きな被害を受けたバングラデシュ南東部の4県で被災者の方々に緊急物資配付を行っています。
 
その1つであるクミッラ県(Cumilla)とノアカリ県(Noakhali)で、ピースウィンズのスタッフが現地の提携団体と協力し被災者の方々に被害状況のヒアリング調査をしました。
 
まずは、現地入りする前に提携団体からの情報収集と今後の予定についてすり合わせをしました。今回の洪水被災者は主に農家であり、作付けしていた農地が浸水して駄目になったり、栽培していた野菜が流されてしまったりしています。この影響で最近は野菜の値段が高騰しており、バングラデシュの食生活に欠かせない唐辛子は値段が4倍になっているそうです。
 

提携団体との会議中。バングラデシュでは会議中に軽食をとる文化があります。

 
クミッラ県の被災地では、洪水被害の大きさを目の当たりにしました。家が半壊してしまった人や、家財道具が流されてしまった人からも話を聞きました。今回ピースウィンズは、命を守るために最優先となる食料と基本物資を配付しますが、被災者からは食料だけでなく家を修復するための支援もしてほしいとの声も聞かれ、中・長期的な支援を見据える必要があることをひしひしと感じました。
 

洪水により土砂が流れ込み、家が半壊してしまったご家族。

 
このように被災地の状況を調査しながら物資配付の準備も進めていきました。物資が納入された後はスタッフ全員で仕分けをし、1世帯分の物資を袋にまとめます。配付物資の内容は主食であるお米、食用油、じゃがいもや玉ねぎといった食料の他、浄水用タブレットや石鹸などを選びました。配付物資内容の決定には支援に入る国のガイドラインを参照したり、現地でヒアリングしたニーズを反映したりしています。
 

配付物資の仕分けの様子。100以上のセットを作るためスタッフ一丸となって作業します。

 

配付会場では物資を陳列して内容を説明します。

 
また、配付を受ける裨益者のリスト作成も物資配付の際の大切な作業です。裨益者の選定には低所得の家庭であるか、妊婦や乳幼児、障がい者のいる家庭であるかなどの基準を設けており、行政からの情報をもとにどの家庭に優先的に物資を配付するかを決定し、リストを作成します。今回も入念にリストを確認し、クミッラ県で計1,100世帯を選定します。
 

裨益者リストをチェックする現地提携団体の職員。細かく作業をしてくれています。

 
配付を受け取った世帯の中には洪水が起こる前に赤ちゃんが生まれた家族や、妊娠中の女性がいる家族もいて、洪水が起こって買い物にも行けず困っていたので食料がもらえてとても助かったという声が聞かれました。支援を必要とする世帯に物資を届けられたことがとても励みになりました。
 

配付を受けたご夫婦にグッドサインをいただきました!

 
ノアカリ県では滞在中に雨が降り、道が洪水の時のように浸水してしまいました。例年より雨期が長引いており、被災地の厳しい状況はまだ長く続きそうです。
 

浸水した道を歩くスタッフ。安全に気を付けながら皆で歩きます。

 
洪水によって農地が駄目になり作物が作れないことや、家屋も被害を受けていること、雨期が長引き水害が発生しやすくなっていることなどから、これからも被災地での支援ニーズは高まることが予想されます。
 
支援を必要とする人びとの声とニーズに応えるため、皆様からの温かいご支援を、引き続きよろしくお願いいたします。
 
※本事業は、ジャパン・プラットフォームの助成にて、現地提携団体DCHT(Dhaka Community Hospital Trust)およびANANDOと協働で実施しています。

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