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【ブルキナファソ】肝炎に苦しむアフリカ・ブルキナファソ、日本のNGOと医師が命を救う対策に挑む

世界では「ウイルス性肝炎」のため、毎年134万人が命を落としています(2018年)。この数は、世界3大感染症(HIV・結核・マラリア)の犠牲者数に匹敵しますが、これまで注目されることはありませんでした。しかし、日本には「国民病」とよばれたウイルス性肝炎とたたかってきた長い歴史と、世界でもトップレベルの肝炎対策の経験や技術があります。ピースウィンズは、27年にわたる海外人道支援の経験と医療リソースを活用し、この問題を「日本の医療」で解決したいと考えています。そこで特に国際的な支援の遅れている「B型肝炎」に焦点をあて、アフリカ諸国でウイルス性肝炎対策の研究に取り組む日本人医師・島川祐輔医師(パスツール研究所/熊本大学客員教授)と共に、多くの肝炎患者を抱えるアフリカ最貧国のひとつであるブルキナファソで検査体制などを支援する新規事業を開始します。
 

 
■肝炎は日本人にとって身近な病だった
かつては、日本でも、ウイルス性肝炎は「国民病」と言われていました。B型肝炎、C型肝炎のウイルスに感染した人はとても多く、肝硬変、肝がんの約8割は、これらの肝炎ウイルスが原因でした。
自覚症状が出づらいという臓器の特性から、感染に気づいた時はがんの末期ということも少なくありませんでした。保険のきかない治療に全財産をかけ、祈祷や民間療法にすがるしかない人もいました。
この状況を改善するため、日本では1980年代から肝炎対策が進められ、今では、母子感染防止、治療費助成、ワクチンの定期接種化、治療や検査を促すコーディネーターの配置など、世界でもトップクラスの肝炎対策がとられています。治療法の劇的な進化もあり、早い段階で感染を見つけて治療をすれば “命を落とす時代ではなくなった”と言われるようになりました。しかし、アフリカには、今でも、同じ病気で、同じように苦しみ、惑う人々がたくさんいます。
 


ブルキナファソの女性たち

 
■B型肝炎が拡がる、世界一貧しい国のひとつ「ブルキナファソ」
世界的な「ウイルス性肝炎克服の最大のカギは、アフリカにおけるB型肝炎」(雑誌「ネイチャー」、2018年)と言われます。
※この理由の一つとしては、C型肝炎には、近年、待望の「根治薬」が登場したこともあげられるでしょう。患者さんたちの様々な活動と、国際的な支援で、ブルキナファソでも、昨年(2022年)から、この治療薬が無料化されたといいます。
 
世界で最も貧しい国の一つとも言われるブルキナファソ。現在は西アフリカ地域全体の治安悪化の影響を受けていますが、かつてはJICAの青年海外協力隊も多く派遣され、空手や野球などのスポーツ支援なども行われてきました。
このブルキナファソでは、人口2,000万人の9.1%がB型肝炎ウイルスに感染しています。世界保健機関(WHO)が「感染率が高い地域」とする基準が2%ですから、その深刻さがわかります。
現代の日本では、B型肝炎のワクチンが使え、罹患しても検査機器を使用して検査も可能ですし、治療薬も使えます。しかし、ブルキナファソを含むアフリカのサブサハラ地域では、お金や物流などいろいろな問題があり、先進国では当たり前の予防法、治療法が使えず、まだ、多くの人が命を落としているのです。
 
特にブルキナファソは医療資源が限られている上にウイルスに感染している人も多いため、検査によって、肝がん発症の危険が大きい、治療の必要性の高い人を見つけ出すことが欠かせません。そのため、現地NGOおよび駐日ブルキナファソ大使館からは、肝がんを防ぎ、多くの命を救うため、検査体制の支援を強く訴えるお話がありました。
 


ブルキナファソの肝炎治療センター
 

地元警察署から依頼を受けての一斉検査など、現地NGOは精力的に活動している

 
■第一歩として「医師の派遣」と「検査機器の寄贈」
環境や文化も異なるブルキナファソで事業を成功させるには、日本の取り組みをそのまま持ち込むことはできません。そこで、まずは、現地にピースウィンズの医師を含むチームを派遣し、B型肝炎の予防・検査・治療をすすめるための人材養成や、資源が不足している医療・保健システムの強化支援事業のための現地ニーズ調査を行います。
 
同時に、国立ムラズ研究所に検査機器「フィブロスキャン」を持ち込んで寄贈し、トレーニングを実施し、肝炎治療センターを運営する「アソー・エパティット」など2つの現地NGOとともに、肝炎検査の体制を整備します。フィブロスキャンは、1日に約100人の肝炎患者を検査できます。B型肝炎そしてC型肝炎の抗原・抗体の簡易検査と組み合わせることで、救える命の数は、ぐっと大きくなるでしょう。
 


フィブロスキャンを操作するピースウィンズの坂田医師

 
※フィブロスキャン検査:身体の表面に当てて、そこから振動と超音波を出し、その反応を分析して、肝臓の硬さ(線維化)を測定する検査。線維化が進んでいる肝臓は、たとえウイルス量が少なくても、がんを発症しやすく、治療が急がれる。
 
■ブルキナファソで、かつての日本とまったく同じことが起きている
今も、アフリカやアジアなどでは、ウイルス性肝炎によって、かつての日本と同じ苦しみや悲しみが広がっています。そして、肝炎対策の先進国である日本ならば、その経験や技術を活用して、日本のNGOならではの支援をすることができます。島川祐輔医師だけでなく、国内の複数の肝臓専門の医師からもご協力、そして多数のアドバイスをいただいています。
 
感染症への対策は、紛争や災害への支援と並ぶ「人道支援である」と、私たちピースウィンズは考えています。
適切な医療さえあれば救える命を、「日本の医療」で救いたい。
患者の苦しみと病の克服の歴史を知る日本の私たちなら、できるのではないかと思います。
どうか、このプロジェクトに皆さんのお力をお貸しください。
 
 
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