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私たちの活動

困難のなかで生活する被災者たち

ハイチ地震被災者支援のためにピースウィンズ・ジャパン(PWJ)スタッフが現地入りしてから1週間。首都ポルトープランスのぺチョンビル地区の被災者の状況を知るため、地元の教会関係者とともに地域を回りました。当初、伝えられたような、人びとが先を争って配給物資に群がるような光景は、一度も目にしませんでしたが、困難な状況のなかで支援を待つ多くの人たちがいました。

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被災しながらも希望を失わない人びと (C)PWJ/Toshiko KITAHARA

地域の中心にある広場や、サッカー場など、車が頻繁に行き交う道路に面した場所は例外なくすべて、被災者たちで埋め尽くされていました。
ビニールシートやシーツ、バスタオルや毛布など、大きさもさまざまな、手に入るものなら何でも、ひもを張ってそこに引っ掛けた下で避難生活を送る家族が座るところは、隣との間などまるでなく、人びとが通るのも容易ではありません。大勢の被災者が集まっているのに、仮設のトイレはたったひとつしかなく、衛生面が心配される避難所もありました。
それでも、そうした場所に避難した人びとのもとには、飲み水や食事の配給が少しずつですが、届き始めていました。地震直後に報道されたような、人びとが先を争って配給物資に群がるような光景は、一度も目にしませんでした。

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密集するテントからは生活の雰囲気が (C)PWJ/Toshiko KITAHARA

しかし、ひとたびメインの通りを過ぎて、地区のより奥のほうへ進むと、様相は一変しました。勾配の急な、地震発生前から舗装が整っていない坂道を車でどうにか登っていくと、道の両側には住居が崩れ落ちたがれきがうず高く積み上がっています。風が吹くと粉塵が舞い上がり、あたりは白くなっています。
ところどころで見かける人たちは、近くの避難所で避難生活を送っていて、自分の家に調理用具などを取りに来ているのです。それでも、大きなコンクリートの塊が一帯に広がる家の残骸の中から、使えそうなものを掘り出すのは容易なことではありません。壁に大きな亀裂が入っていたり、建物の道路側はすでに崩れているものの、何とか立っている家もありますが、今にも上から崩れ落ちてくるかもしれず、このような建物に近づくのは危険きわまりない状況です。
一緒に周辺を回っていたグループの1人は、半壊した自宅の敷地を近所の人びとに開放していました。10世帯ほどが身を寄せている、そのごく小さい避難所を訪ねました。彼が、これまでの苦労を話してくれました。
「地震で家は被害を受けてしまったが、周りでは完全に家が崩れて行き場を失った近所の人たちが困り果てていた。自分ができることは限られているが、お金を工面して給水車を手配して飲み水を確保したり、食糧を買ってきてみんなで少しずつ分けたりして、今までやってきた。こんなに奥まったところにある小さい避難所は、誰にも気づいてもらえないので、外国からの支援団体は、今まで一つも来ていないんだ」

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被災地で調査を続けるPWJスタッフ (C)PWJ/Toshiko KITAHARA

PWJは、このように、「自分たちが住んでいた地域からできれば離れたくない」と考える被災者の気持ちを尊重し、応急的に暮らしていくためのビニールシートやテントなどの配給を準備するとともに、二次災害が発生しないように注意しながら、生活再建のために、まずは壊れた家の片付けをするための道具の配布を計画しています。こうした支援物資の配給に当たっては、被災住民らと計画段階から話し合いを持ち、人びとのニーズに沿って実際の配給が行えるように、今後も活動を進めていきます。

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