被災の子どもたちに手づくりの制服
PWJは、スマトラ島沖地震津波被害者への支援のひとつとして、アチェ州の州都バンダアチェで、女性たちのための収入向上支援事業を行っています。そのひとつが、学校の制服の縫製プログラム。このプログラムは、津波で痛手を受け、制服がないために学校に行く機会を失っていた子どもたちの通学を励ますことにつながりました。
制服の製作に取り組む女性たち
(C)Peace Winds Japan
今回の津波災害で、多くの女性たちが家族とともに生計手段を失いました。女性たちにとって、津波前に従事していた仕事を再開することも、あらたに仕事をみつけることも容易ではありませんでした。その一方、子どもたちが再び学校に通い始め、徐々に笑顔を取り戻していくことも、女性たちが子どもたちを通して将来への希望を取り戻す大きなきっかけでした。そして、大変、意外なことですが、現地の子どもたちが通学を再開するにあたって大きな障壁となっていたのが、制服でした。多くの子どもたちや保護者たちが「制服をなくしてしまったために、学校に行けなくなった」と感じ、多くの被災家族が支援団体に対して制服を要望していました。
PWJでは、女性たちに生活再建への希望と自信を取り戻してもらうため、子どもの通学再開と女性への職業支援という2つの要素を組み合わせ、裁縫技術を持っている女性たちにミシンや生地を配布して制服の製作を依頼し、制服を失った生徒たちに配布するという事業を実施しました。3月中旬から、バンダアチェ市内の女性10人に製作を依頼。完成した制服はPWJが買い取り、4月末までに102人分(シャツ408枚、男児用ズボン116着、女児用スカート88着)を市内の小学校を通して子どもたちに支給しました。
写真左:初めて見る千羽鶴に子どもたちは大喜び
写真右:制服と千羽鶴のお礼に歌を歌ってくれた
(C)Peace Winds Japan
子どもたちが心待ちにしていた贈呈式の日。PWJスタッフから制服を受け取った子どもたちは大喜び。合わせて、子どもたちが予期していなかったもうひとつのプレゼントがありました。ジャカルタ在住の日本人のみなさんが折った千羽鶴がPWJスタッフに託されていたのです。初めて見る千羽鶴に子どもたちは歓声を上げました。通訳を介して、「この千羽鶴は『アチェの人たちが元気になるように』と願いを込めてつくられたんだよ」と伝えられると、子どもたちは制服と千羽鶴のお礼に、歌をたくさん歌ってくれました。
世界の子どもたちが明るい将来を描けるよう、PWJは活動を続けていきたいと思います。子ども支援をはじめとしたPWJの活動に、みなさまのご理解とご支援をお願いいたします。
校門の前にたたずむ子ども。
制服がないため学校に入ることを躊躇しているのか・・・
(C)Peace Winds Japan
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