【イラク】ノーベル平和賞を受賞したナディア・ムラドさん

今年、ノーベル平和賞を受賞したナディア・ムラドさんは、ニネワ州シンジャール地区出身のヤジディ教徒です。PWJは、シンジャール地区をひとつの重要な活動エリアとしています。

ニネワ州の中でも北西の辺境地域であるこのあたりには、以前は、クルド人、アラブ人、ヤジディ、トルクメンなど異なる民族・宗教の人びとが、村落に分かれつつも入り混じるようにして暮らしていました。近年この地域への「イスラム国」の侵攻を経て、避難していた人々の帰還が現在行われていますが、クルディスタン地域に逃れたクルド人及びヤジディ教徒は帰還が進まず、アラブ・スンニの人々の帰還が進みつつあるという傾向があります。ヤジディの人びとについては、シンジャール地区内で国内避難民となっているケースも多く見受けられます。

今後、帰還民支援にあたって、異なる民族・宗教グループ間の社会的結束という視点が大変に重要になってくると思います。

写真は、ヤジディ教徒の巡礼祭より。ラリシュというヤジディの聖地は、ドホーク州ドホーク市から車で1時間弱のところにあり、例年巡礼際では多くのヤジディがここを巡礼で訪れているということです。