新しい小学校で新学期が始まりました!
イラク北部の子どもたちは、7月から9月までが夏休みです。ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)はその夏休みの間を生かして、避難民が急増した村で小学校の改修や増築を行いました。子どもたちは新校舎での授業を楽しみにし、大人たちは教育環境の充実を喜んでいます。
イラク北部ドホーク市から車で1時間にあるシェハヌーク・ハジ村には、治安の悪化しているバグダッドなどからたくさんの避難民が逃げてきています。村には小学校がないので、古い土壁造りの民家を改装して学校代わりにしていました。さらにその民家も避難民の子どもの転入が増え続けて教室が不足したため、庭に2つのテントを張って教室代わりにし、それでも入りきれない子どもたちは5キロ先の別の村の学校まで通ったりしていました。また、古い校舎にはトイレがなかっために、とくに女子たちは近所の家でトイレを借りなければならないなど、とても不便でした。今回PWJが修復した新しい校舎には、6つの教室に加えて男女別のトイレ、教員室や教材室などもできました。
(C)PWJ/Rika YAMAMOTO
今年はイラク全土が干ばつとなり、シェハヌーク・ハジ村も例外ではありません。村にはこれまで1カ所しか給水施設がなく、避難民による人口増で安全な水が大幅に不足していました。PWJは村の郊外に井戸を掘り、給水タンクにポンプでくみ上げて、そこから家々まで水道管をひいて、水が行きわたるようにしました。
(C)PWJ/Rika YAMAMOTO
私たちPWJスタッフを迎えてくれた村長さんは「いままでは教育の環境が悪くて、小学校を卒業できずに退学していく子どもたちが多かった。こんな立派な学校と給水施設ができたから、周りの村にも誇れるようになって、とてもうれしい。これで子どもたちもがんばって通ってくれるよ」と話してくれました。
9月1日から15日まで、新学期の生徒の登録が行われ、そのあと新年度が始まりました。新しい校舎での授業を、村の子どもたちは楽しみにしています。
(C)PWJ/Rika YAMAMOTO