【シリア難民支援】難民キャンプで学校検診を開始
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、イラク北部アルビル州のクシュタパ難民キャンプの学校で、2月26日から児童の集団検診プログラムを開始しました。
このプログラムは現地保健局およびWHO(世界保健機関)との協働で実施しており、クシュタパ難民キャンプを含むイラク北部の8つの難民キャンプ内の就学児童の健康状態を改善することを目的としています。このプログラムにより、これら8つのキャンプで学校に通う難民児童約1万人が、耳鼻咽喉科・眼科・歯科・皮膚科の4種類の検診を受けることができます。
イラクにおいては、学校検診は全国で広く実施されていますが、シリア難民キャンプ内での学校検診は今まで行われていませんでした。
初めての集団検診に、児童たちは興味津々。目を輝かせて検診中のテントを覗き込みながらも、きちんと一列に並んで自分の順番を待ちます。
写真左:並んで歯科検診の順番を待つシリア難民児童
写真右:検診中のテントを覗き込む男子児童
検診を行うのは、現地保健局により派遣された医師たちです。検診の結果、治療が必要と判断された児童には、程度に応じて、キャンプ内または近隣のクリニックで、適切な治療が施されます。また、視力および聴力検査の結果、医師が必要と判断した児童に対しては、眼鏡や補聴器が支給されます。
写真左:精密機器を使用した視力検査の様子
写真右:耳鼻咽喉科の検査の様子
この日の検診においても、衛生環境を原因とする疾患や、歯の治療を必要とする児童が多く報告されていました。
写真左:皮膚科の検査の様子
写真右:歯科検診の様子
まだ始まったばかりではありますが、協働機関である保健局、WHO、そして学校の先生たちの惜しみない協力のおかげで、この学校検診プログラムは順調な滑り出しを見せています。
ひとりでも多くのシリア難民児童がより良い健康状態で勉強に励むことができるよう、PWJは今後も、児童たちの笑顔を励みに活動を続けていきます。
報告:船山 静夏(事業部イラク担当)
※本事業は、ジャパン・プラットフォームからの助成金や皆さまからのご寄付により実施しています。