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私たちの活動

【モロッコ】被災した女子生徒を対象に、月経衛生管理ワークショップを開催

2024年1月、モロッコで現在実施している事業をモニタリングするため、スタッフが現地を視察しました。

2023年9月8日にモロッコ中部で発生した地震は、震源地に近いアルハウズ県やタルーダント県の山間部を中心に、深刻な被害をもたらしました。全壊、半倒壊、など学校が受けた被害は甚大で、現在も3,000人以上の生徒がマラケシュ市などの受け入れ先に分かれて退避生活をしています。震災からの復旧・復興が長期化する中で、被災者が多く、かつ支援ニーズが多岐にわたることから、政府からの支援が行き届いているとは言えない状況が続いています。

この状況に鑑み、現在、ピースウィンズは、特に支援が不足している月経衛生管理の問題に焦点を当て、被災した女子生徒を支援しています。

被災生徒が集団避難生活を送っている「Dar Sraghna」と呼ばれる寄宿舎。地方からの特待生らが生活するために建てられた施設ですが、現在は避難場所として利用されています。

ピースウィンズは、現地のNGO団体「プロジェクト・ソア」と提携し、当該国の学校教育を管轄する政府機関と調整を重ね、マラケシュ市に避難している、もしくは避難指示区域外ではあるものの震災の被害が大きいアミズミズ村の学校に通う12歳から18歳の女子生徒を対象として、ワークショップを開催し、月経に関する正しい知識や繰り返し使える布ナプキンを含む月経衛生管理キットを提供しています。

被災した女子生徒たちは、社会文化的背景や貧しさから、震災以前より月経に関する知識や月経用品へのアクセスが限られていました。そのため、生徒に近い年齢で、かつ、専門的知識を兼ね備える現地医学部の女子大生を中心にワークショップの講師として選定し、事前トレーニングを重ねたうえでワークショップを実施しています。また、ワークショップへの参加者はなるべく各グループ20人程度とし、生徒一人一人に寄り添う時間を確保するよう努めています。

私たちが視察したワークショップに参加した女子生徒の中には、初経を迎えることが結婚できる年齢になったと誤って認識していた生徒や、月経用品が購入できないことから月経期間中は学校に行けなかった生徒がいました。特に、震災に伴い突如家族と離れて不慣れな土地や場所で避難生活を送るようになった女子生徒は、母親などに月経について尋ねることができなくなったため、月経期間中不安な気持ちで過ごしていたそうです。ワークショップを通して講師が優しく寄り添い、月経についてわかりやすく説明することで、女子生徒たちは、一人、また一人と、今まで疑問に思っていたことを質問したり、今まで抱えていた不安な気持ちを打ち明けたりしてくれました。そして、ワークショップの最後には、女子生徒が、「支援者の皆さまへ」と、私たちに温かいハグと感謝の言葉をくれました。

月経衛生管理ワークショップの様子
ワークショップの講師と参加者、ピースウィンズスタッフとともに月経衛生管理キットを持っています

地震被災から4カ月、震源地からは約71km離れたマラケシュ市を見ると、都市部は復興を遂げ、活気を取り戻したかのように見えます。またマラケシュ市は砂漠地帯のため、1月でも日中は25度を超えるほどの陽気です。しかし、一瞬にして生まれ育った家屋が崩れ去った経験、ご家族やお知り合いを亡くした経験など、計り知れないトラウマを抱えた生徒たちの心の傷は、そう簡単に癒えるものではありません。また、その悲しみの中、女子生徒たちは、震災によってさらに深刻化している「生理の貧困」により、非衛生的な月経管理に起因した感染症などのリスクに直面しているとともに、月経期間中は欠席するなど学業の継続が脅かされているのです。

ピースウィンズは、被災した女子生徒が月経期間を安全かつ衛生的に過し、将来の夢や希望に向けて学びを継続できるように、一人一人の生徒に寄り添う支援を、これからも進めてまいります。引き続きご支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

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