【パラオ】『ジュースには注意!』
“How much sugar is in your drink? ”
「あなたの飲み物にどれだけ砂糖が含まれていますか?」皆さんはこの質問に答えることができますか?
近年パラオでは食生活の欧米化により、甘味飲料の摂取が増えてきました。WHOの調査によると、成人の4人中3人が毎日少なくとも1本、砂糖入り飲料を飲んでいるようです。
このような食生活の変化により、パラオでは生活習慣病(糖尿病、高血圧、心血管疾患など)が急増しており、これらの病気が70%以上の死因を占めています。また、生活習慣病の主な要因となっている肥満は、成人の72.5%が該当しています。
現在、ピースウィンズは現地保健省と協働してパラオ全土の学校を訪問し、子どもたちへ生活習慣病予防の啓発活動を行っています。
生活習慣病予防法として検診がありますが、これは健康異常を早期に発見し、治療や保健指導などの対策を行い、病気や障害の重症化を予防することを目的としており、検診は2次予防と呼ばれています。
では、2次予防の前にしなければならない1次予防とは何でしょうか?
1次予防は、生活習慣や生活環境の改善、健康教育などによって健康増進を図り、そもそもの病気の発生を防ぐことを指します。
学校での啓発活動は1次予防の一環であり、これから元気に成長していかなければならないパラオの子どもたちに健康について教えています。学校から始める健康改革です!
啓発活動のテーマは、
“How much sugar is in your drink? ”
「あなたの飲み物にどれだけ砂糖が含まれていますか?」です。
授業では、まず砂糖が体内でどのように働くか、そして砂糖の過剰摂取が引き起こす健康問題、特に肥満や糖尿病、心血管疾患について話をしました。飲料に含まれる砂糖の量とその健康への影響を聞き、普段飲んでいる飲み物の糖分量を視覚的に見て、「ペットボトル1本のレモンジュースにこんなに砂糖が入っているなんて….。」と言いながら、驚きを隠せないようでした。
今年6月には、パラオの教職員が参加する健康ワークショップで、子どもの肥満についての説明とグループワークを行いました。
このワークショップを通じて、教職員たちは生徒の肥満予防に対する理解を深め、教職員同士の連携が強化され、学校全体での統一した取り組みが期待されます。また、私たちも教師たちとの話し合いの中で、パラオ全体で学校の政策が統一されていないため、おやつの量や運動への取り組みが学校によって異なるという新たな課題も発見することができ、私たちにとっても学びのある有意義な時間となりました。
私たちは、パラオでの未来を担う若者たちが健康的な生活習慣を身につけ、生活習慣病のリスクを減らすことが重要だと感じています。そのため、パラオにおいて啓発活動をはじめとする生活習慣病予防に向けた取り組みを続けていきたいと考えています。今後もさらに多くの学校を訪れ、新しいテーマを取り入れた啓発活動を計画しています。
本事業は、外務省の日本NGO連携無償資金協力による助成、ならびにみなさまからの温かいご寄付により、実施しております。引き続き皆様からのご寄付も募っています。ご支援の程よろしくお願いいたします。