【パレスチナ】ガザ地区空爆開始から100日。追いつめられるガザ。
ガザ地区における情勢が悪化してから、1月14日で100日が経過しました。
依然としてガザ地区の全域で民間人への攻撃が行われており、1月12日現在で既に23,000人以上が殺害されました。
空爆と地上侵攻、物資の封鎖が長期化した影響で、ガザ地区における人道危機は一層深刻化しています。
国連によると人口の約85%にあたる190万人以上が家を追われており、食料、飲料水、医薬品等あらゆる物資が不足しています。
ピースウィンズのスタッフによると、特にエジプト国境の検問所から離れたガザ地区北部に入ってくる援助物資は非常に限られており、飲料水と食料の不足が極めて深刻だとのことです。
ガザ市に留まる彼は親戚の家の井戸から塩分の混じった水を汲み上げて飲んでいますが、それでも水の絶対量が不足しているため、求めて来る人が後を絶たないようです。
「井戸水を汲み上げるには発電機でポンプを動かす必要があるが、ガソリンが手に入らないので代わりにガスを使っている。このやり方はとても危険で、手を火傷してしまったが仕方ない。」との事でした。
水を十分に飲めない事による脱水症状や、塩分を含んだ水を飲み続けることによる健康被害も多く報告されています。
また、飢餓も深刻化しています。国連によると、ガザの人口ほぼ全員に相当する220万人が飢餓のリスクに直面しており、うち約38万人が「破滅的な」栄養失調の状態にあります。
スタッフの話によると、「主食のパンを作る小麦粉は長い間手に入らず、たまに流通しても10/7以前は1袋40シェケル(約1,600円)だったものが、今は700シェケル(約28,000円)する」とのことでした。
こうした危機的状況を受けて、ピースウィンズはジャパン・プラットフォーム(JPF)の助成により、新たに食料を中心とした物資配付の事業を開始しました。
現在、提携団体と共に1,200世帯分の食料をエジプトから搬入する準備を行っております。また、ガザ地区内で現地業者から野菜を買い取り、中部・南部でそれぞれ500世帯分ずつ配付する予定です。
提携団体の担当者の中には、家をイスラエル軍の戦車に包囲された方、家族や親戚、同僚が死傷した方、自身も避難民となっている方が大勢います。自身と家族の安全を守るのに精いっぱいな状況の中でも「自分達よりももっと苦しんでいる人がいる」と、支援活動に取り組む彼らには頭が上がりません。
イスラエル軍による無慈悲な軍事攻撃が収まる気配が未だ見えない中、今後の支援活動は一層困難になることが予想されますが、今後も「必要な人に必要な支援を」を合言葉に、あらゆる手段を用いて支援活動を継続してまいります。
また、イスラエル・パレスチナ双方で無辜の市民がこれ以上犠牲にならないために、一刻も早い停戦を訴えてまいります。
支援者の皆様のお力添えを、何卒よろしくお願い申し上げます。