シエラレオネでの難民キャンプ支援事業を終了
リベリア難民の帰還などによりシエラレオネ国内にあるすべての難民キャンプの運営が国連からシエラレオネ政府系の団体に委ねられることになりました。 PWJは2001年以来、同国内で難民キャンプの支援を続けてきましたが、キャンプ運営の移管を受け、キャンプでの支援を終了。リベリア国内での帰還した難民の支援により力を入れていくことになりました。
激化したリベリア内戦のために隣国シエラレオネに逃れてきた難民たちの支援が始まったのは2001年。以来、PWJなどの国際NGOが、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と協力する形で、キャンプの運営を行ってきました。2004年のピーク時にはシエラレオネ国内に5万人近くいたリベリア難民は徐々に帰還し、2007初めには、その数は2万人弱にまで減少しました。
難民の母国リベリアへの帰還の進行により、UNHCRは難民キャンプと難民帰還の支援を2007年6月に終了する予定で、そのときまでに母国へ帰還しない難民は、シエラレオネへの定住という選択を行うことになります。
シエラレオネ国内8カ所にあったキャンプは統合せず、2007年1月以降、その運営はすべてシエラレオネ政府系の復興支援団体「NaCSA(社会貢献全国委員会)」が行っていくことになりました。これは、現地政府系の団体が運営にあたることで、定住を決めた難民の登録や定住する村の割り当てなどの準備を早い段階から進め、キャンプ閉鎖後の定住支援をスムーズに行うことが目的とされています。
PWJ は2001年、バンダジュマキャンプの開設直後からリベリア難民支援事業に携わり、ジミキャンプの設立と運営を行い、2005年にはタヤマキャンプの運営を他団体から引き継いで、キャンプ内の環境や生活の向上を目的とした支援を実施してきました。今回のシエラレオネ政府やUNHCRの方針は、「現地での支援活動は本来、現地の行政や団体が行うことが望ましい」というPWJの考え方にも合っていることから、2007年1月1日をもって、3つの難民キャンプの運営をNaCSAに引き継ぎました。
NaCSAによる運営開始後も、スムーズなキャンプ運営が行われるように、PWJの現地スタッフも多数、NaCSAに移籍し、移管当初は運営に立ち会うなどのフォローを行いましたが、大きな問題もなく移管が終了したことから、PWJとしての難民キャンプ支援事業を終了。3月6日までにシエラレオネ国内の事務所を閉鎖し、駐在スタッフも離任して、シエラレオネ支援事業を終了しました。リベリア国内での支援事業は今後もさらに力を入れていきます。
シエラレオネ支援事業に対するご支援、ありがとうございました。