70の村にトイレ200基を設置
内戦終結から5年がたつシエラレオネのコノ地区の村むら。帰還が進んだ結果、人口が増え、トイレ不足が問題になっています。このままでは衛生状態も悪化し、病気が広がることも懸念されるため、地域内で支援を続けているピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、住民たちと協力しながら、トイレの設置を進めています。
写真左:コノ地区で進むトイレの設置作業
写真右:地区で一般的なトイレ
(C)Peace Winds Japan
「大家族」で暮らす現地では、10人、20人といった家族が、ときには2棟、3棟に分かれ、隣り合って生活しています。家族が共同で使うために、2メートル程度、地面を掘り返して、ヤシの葉などをかこっただけのトイレがあればいい方で、帰還したばかりで余裕がないなどの理由でトイレを持たない人たちもいます。また、穴があまり深くなく、井戸の近くにつくられていることもあるため、雨の多いときに不衛生になったり、下痢や皮膚病、腸チフス、コレラなどの原因になったりする心配もありました。
このため、PWJは、70以上の村のコミュニティーと協力。トイレで困っている家族や設置の候補地などを挙げてもらったうえで、村ごとに1基から15基、全体で約200基のトイレの設置を決めました。
実際のプロジェクトは、設置工事のすべてをPWJが行うのではなく、村の人たちと作業を分担する方法で実施しました。セメントや鉄筋などはPWJが提供し、地元で確保できる資材は村で用意してもらいます。5メートルの深さまで掘り下げ、不衛生なものが流出するおそれがないよう井戸の位置などにも配慮、しっかりした壁もつくりました。でき上がったトイレを大切に使ってもらうとともに、手洗いなどの大切さを理解してもらうため、ワークショップ(研修会)も各地で開きました。
工事途中ながら住民が見にきた
最終点検を行うPWJスタッフ
(C)Peace Winds Japan
対象となった村の多くは、幹線道路から離れ、でこぼこの道を四輪駆動車で1時間、ときには2時間進まなければならないような場所にあります。PWJのスタッフと一緒にトイレの屋根工事をしていた村の若者は「トイレが少ないので困っていたんだ。PWJには感謝している」と話していました。
塗装も終わって完成したトイレ
(C)Peace Winds Japan
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