【南スーダン】マハド国内避難民キャンプの国際女性の日
国際女性の日を祝い、PWJが活動するマハド国内避難民IDP(Internally Displaced Persons)キャンプで3月8日に祝賀イベントが開催されました。IDPキャンプでは通常のコミュニティで行われる祭りは行われることはなかなかないため、こうしたイベントはキャンプに住む人々にとってはとても大切なハレの日です。
2019年の国際女性の日のテーマは、「Think equal, build smart, innovate for change:平等に考え、聡明に構築し、変化のための革新を(UN Woman日本事務所仮訳)」ですが、南スーダンの女性たちもまたコミュニティ内部での自身の参画への権利を求める過程で、様々な課題に直面しています。紛争の影響や文化的慣習は女性たちを長年脆弱な立場に追いやってきましたが、近年になって南スーダンの女性たちの間にもはっきりとした変化の兆しが見えてきました。政策の上では、女性は決定が下されるのを待っているだけの存在ではないという位置づけに変わりつつあります。
昨年は同じジュバ市内にあるドンボスコIDPキャンプが国際女性の日のイベント会場となりましたが、今年はマハドIDPキャンプが会場に選ばれました。そのため、ドンボスコIDPキャンプからはIDPのグループが大きなバス3台で送迎されて来ました。同様にマハドIDPキャンプで活動する人道支援組織だけでなく、ドンボスコIDPキャンプからも支援組織がイベントに参加しました。ジェンダー分野の保護支援を担当する米国NGO、インターナショナル・レスキュー・コミッティ(IRC)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などが中心となってイベントを盛り立てました。結果として400名ほどがイベントに参加しました。
イベント会場は3つの大きなテントがU字に設置されたもので、テントの下に招待された人々、IDPが座り、真ん中のスペースで様々な出し物が行われました。一番の盛り上がりは女性グループの歌とダンスです。その歌詞は、強い女性と彼女たちの社会における功績をたたえるものであり、女性たちの賑やかな歌声と、響き渡るドラムの音が、記念すべきこの祝いの日を象徴するようでした。女子生徒たちは、女性のコミュニティの課題への参画機会の必要性を詠った心温まる詩を朗読しました。
祝賀の最後には、様々なスピーチが行われ、男女平等を実現し、この課題への意識を向上させるために引き続き尽力する決意が述べられました。女性たちに、組織のCEOから子どもを育て家庭を率いる主婦に至るまで、あらゆるところにおいてリーダーシップを発揮していると励ましました。スピーチは、社会的、文化的、経済的、政治的な場面において女性がその能力を発揮できる、より多様性の認められた社会を実現するために、ステレオタイプに立ち向かい、声を上げて行こうと呼びかけました。
ピースウインズ・ジャパンはIDPキャンプでは給水・衛生支援を行っていますが、こうした支援が女性や女の子といった配慮が必要な人たちにとって充分な体制で行われるように配慮しつつ事業を行っています。引き続きあたたかなご支援をどうぞよろしくお願いいたします。