アユッドタウンの緊急シェルターが完成!
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、2012年1月に南スーダン北部で発生した民族同士の争いで、避難してきた避難民に対する支援を続けています。今年5月からは、避難民へ提供する緊急シェルター(簡易住居)の建設を、アユッド郡で始めました。6月下旬に82棟全ての建設を終え、避難民は雨風を凌ぐことができるシェルターに移り住むことができました。
アユッドタウンに逃げてきた避難民の多くは、隣のウロール郡の出身者です。今年1月に同州で民族同士の争いが起きたために、家財道具などを一切持たず、隣の郡に避難してきました。南スーダンでは、本格的な雨期が始まると、豪雨と嵐に見舞われてしまうため、雨風を凌ぐことができる住居が必要でした。
逃げてきた人々は、刈り込んだ草で作った小さなテントに住んでいましたが、スペースはとても小さく、寝ていると足が出てしまうくらいの大きさでした。雨が降りだすと、この小さいテントに5人くらいが丸まって雨が過ぎ去るのを待ちます。雨の日に、家の中を見せてもらうと、いたるところで水が滴り落ちていました。
簡易住居建設前の様子
簡易住居の建設は、支柱となる木材を集め、基礎となる穴を掘り、立てた柱にビニールシートを釘で打ち付け、屋根と壁を作っていきます。雨期が始まってしまうと、資材の輸送が困難になってしまうため、急ピッチで行わなければいけなかった資材輸送の調整に、とても苦労しました。雨季前の完成を目指して現地スタッフと避難民が協力し、届いた資材を使ってハイペースで建設を進めました。
建設中の様子①
建設中の様子②
大人が、穴を掘っていると、子どもも手伝いたくなってくるのか、いたるところで小さい子どもが穴を掘って遊んでいました。
みんなのマネをしようと穴を掘る子ども
穴を掘って遊ぶ子どもたち
6月にはいり、雨が降りだしていたこともあり、多くの避難民は疲れた様子を見せていましたが、シェルターが完成していくにつれ、人々は活気を取り戻していきました。牛の肉を焼いている家族もあり、子どもたちは元気いっぱいに走り回り、避難民キャンプのいたるところで笑い声が聞こえるようになりました。避難民の人々は、現地スタッフや私を見ると、とても嬉しそうに、「シェルターができてとても嬉しいです。これで安心して子どもたちと過ごすことができます。」と簡易住居完成の喜びを伝えてくれました。
完成した簡易住居
簡易住居建設後(中央:PWJ現地スタッフ)
アユッド郡の避難民に対するシェルター支援は一段落しましたが、ジョングレイ州の各地では、民族間の衝突が引き続き発生しており、今なお予断を許さない状況が続います。PWJは、今後も緊急事態に対応ができるように備えを続けていきます。
*本事業は、ジャパン・プラットフォームによる資金や寄付金などにより実施しています。