【南スーダン】度重なる洪水による被災を最小限にするために
南スーダン共和国(以下、南スーダン)では、過去数年間にわたり、気候変動による豪雨によって洪水が発生し、多くの人が避難を余儀なくされるなど深刻な被害がもたらされています。人々は家屋だけでなく、日々の収入源である農作物や家畜も失いました。また、井戸が壊れているため、人々はため池や川から水を汲み、汚れた水を使うことでコレラや下痢症など水系感染症にかかる心配もあります。洪水の被害を受けている多くの地域は武力衝突により情勢が不安定でもあり、こうした地域の人々は自然災害と治安、双方の脅威にさらされているのです。
2022年10月に洪水が発生したアッパーナイル州メルート郡
一方で、洪水によって避難してきた人々を受け入れている地域では、避難民の数は増加し続けており、井戸やトイレなど水衛生設備の数は限られ、逼迫しています。トイレ不足により野外排泄をせざるを得ない状況で、衛生環境の悪化だけでなく、女性や子どもがジェンダーに基づく暴力に巻き込まれるリスクも高まっています。また、共有財産である水へのアクセスが限られることで、避難民と受入れコミュニティ間で緊張が増すことが心配されています。
少しでも洪水被害を軽減できるように、そして人々の洪水への対応能力を高められるように、ピースウィンズは2022年11月から、洪水被災地域であるアッパーナイル州メルート郡と、近隣の州で発生した洪水から避難をしてきた人々が身を寄せる中央エクアトリア州ジュバ郡で給水衛生支援を開始しました。
洪水で被災したメルート郡では、既存の井戸を高くして井戸が浸水しないようにしたり、鍬(くわ)やシャベル、鉈(なた)などの道具を配付して人々が排水路を作ることで家屋の浸水を未然に防ぎ、中長期的な視野から洪水被害を最小限に抑えるための支援活動を予定しています。
修理予定の井戸:エプロンと呼ばれる床には水がたまっており、ボウフラの発生など衛生面の懸念がある
洪水によって避難してきた人々が暮らすジュバ郡マンガラ避難民キャンプと周辺のコミュニティでは、人口増加に伴い使用過多で壊れてしまった給水施設やトイレの不足を解消するために、壊れた井戸や給水所の修理と、高齢者や障害者、女性世帯主など特に脆弱な世帯が共有して使用するトイレの建設を行います。こうした修理や建設において、住民自らが作業に携わることで、彼らが自分たちで維持管理できるように工夫しています。
井戸の修理に携わる井戸管理委員会
住民から選出した井戸管理委員会への研修
さらに、マンガラとメルート両地で、住民から選んだ衛生啓発委員とともに衛生啓発活動にも取り組み、感染症の予防に対する人々の意識を高め、衛生的な行動の実施を働きかけていきます。
不安定な情勢だけでなく気候変動による影響も受けている南スーダンでは、緊急支援と合わせて、中長期的な支援も必要です。この新しい事業でもピースウィンズは、人々と連携して、人々の将来も見据えた活動に取り組んでまいります。
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