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私たちの活動

コーヒー生産者の自立の「芽」を実感

11月19日から約1週間、東ティモールへ出張してきました。現地では、今年のコーヒーの収穫と日本への輸出作業がちょうど終了し、「ホッと一息」といったタイミングでしたが、課題の一つであるコーヒー生産者組合の育成はまだ道半ば。それでも、生産者たちが独自で始めた取り組みをみて、彼らの将来の成長を確信することができました。

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)では、東ティモールで唯一ともいえる輸出作物であるコーヒーに着目し、2003年から本格的にコーヒー生産者の支援を開始しました。コーヒー生産者の経済的自立を目標としたこの事業は、コーヒーの品質の向上と、コーヒー生産者組合の育成の2段階に大きく分けて活動を実施してきました。事業開始から6年が経ち、コーヒーの栽培・収穫から加工までのプロセスでのさまざまな技術指導をおこなった結果、現地で生産されるコーヒーは、スペシャリティコーヒーとしての高い評価を受けるまでになりました。また、今年は「有機JASマーク」も取得し、オーガニックコーヒーとしての品質保証も受けることができました。また、収穫量も今年は約50トンに達し、過去最多となりました。
一方の組合育成については、役員の選出、会議の運営、会計・在庫管理のトレーニング、女性グループへの支援などを実施してきましたが、生産者自身で組合を運営し、コーヒーを輸出できるという段階には至っていません。今後、どのような形で生産者の力をつけていくのか、現地の状況を踏まえ、現地で活動しているスタッフたちと十分に意見交換を行って今後の活動の方針を決めるのが、今回の出張の目的でした。

スタッフとの会議

スタッフとの会議
(C)Peace Winds Japan

話し合いの結果、生産者組合とは別に、組合メンバーも加わってコーヒーの輸出を行うための組織を現地で立ち上げ、そうした取り組みを通じて、組合メンバーの能力を高めていくという方向が固まりました。現地スタッフからは「生産者組合として自立して活動しているところは存在しない」といった声も出されるなど、意識改革も必要だと思わされる場面もありましたが、生産者たちの間に芽生えた息吹を垣間みました。

コーヒーの芽

コーヒーの芽
(C)Peace Winds Japan

たとえば、コーヒーの苗を育てているところです。生産者たちがこれまでに得た知識を基育苗に取り組み、来期以降の収穫を見据えて、古いコーヒーの木の「台切り」も行っていました。コーヒーの木が育つために欠かせないシェードツリー(日陰樹)と呼ばれる木の苗や、材木用の木の苗木などが育てられていました。コーヒーの木の間には、豆やキャッサバ、タロイモなどの野菜が栽培され、農民による独自の試みが定着していました。

コーヒーとシェードツリーの苗畑
(C)Peace Winds Japan

技術指導を基に、生産者の意識を変え、組織づくりや自立を図るというのは、東ティモールでは大きなチャレンジです。しかし、彼ら自身が育てた苗をみると、その実現に向けて生産者たちが着実に進んでいることを実感することができました。

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