【トルコ】南東部の地震被災者への緊急支援物資の配布、さらに近隣の村への追加物資の配布を準備中
5万人以上を犠牲にしたマグニチュード7.8の大地震が2月6日にトルコ南東部で発生してから4ヵ月が経ちました。5月末に発表されたOCHA(国際連合人道問題調整事務所)の報告によると、この地震で約50万棟の建物が破壊・損傷し、数十万人が家を失いました。ピースウィンズが活動するハタイ州では、3月末時点で45,687人が約9,150張りのテントで生活しています(AFAD=災害緊急事態対策庁=調べ)。政府はテントで暮らす人々を順に仮設住宅に移し始めていますが、仮設住宅となるコンテナの到着が遅れており、未だ多くの人々が不便なテントでの生活を続けています。
こうした中、ピースウィンズはジャパン・プラットフォームからの資金援助を受けて、ハタイ州の最も被害が大きく、支援が行き届いていない地域で食料と生活用品の提供を続けています。
具体的には、地震で大きな被害を受けたタニシュマ村とマデンボユ村のふたつの村で支援物資を配布しました。タニシュマとマデンボユには合わせて約15,000人の住民がおり(タニシュマ8,000人、マデンボユ6,750人)、約2,200世帯のうち70~80%がテントなどの仮住まいをしています。このなかにはシリア難民や他の被災地から移住してきた人たちも含まれています。また、AFADによると、震源地域から逃れていた被災者が元々暮らしていた地域に戻り始めています。
こうした流入人口もあることから、ピースウィンズでは当初の予定よりも配布数を増やして、4月下旬から6月上旬にかけて、タニシュマ村では生活用品と食料品それぞれ1,000セット、マデンボユ村では、それぞれ800セットを配布することができました。人口が流動的で把握できていない被災者もいる可能性があり、物資配布をもう一度行うことも検討中です。子供たちをはじめとして住民の中には配送トラックからの荷下ろしや配布の手伝いをしてくれる人がいて、満足度調査でも多くの住民が支援物資を喜んでくれていることがわかります。
また、地震で被害を受けた近隣のアヴスユ村など、別の自治体に配送を広げる可能性も検討しています。私たちが訪れた村はずれのテント村では基本的なインフラが不足しており、今後も村長さんら地域のリーダーたちと相談を重ねて、必要な支援を届けたいと考えています。
被災地の状況は少しずつ回復していますが、これから暑い夏の訪れが迫り、生活環境が変化する中で、さらなる支援が必要になります。皆様の継続的なご支援をお願いいたします。