【トルコ】夏を乗り切るための物資を地震被災者に届ける準備を進めています
トルコ南東部を襲ったふたつの巨大地震の発生から5ヵ月が経ちましたが、まだまだ多くの人がテントや仮住まいでの不便な暮らしを余儀なくされています。とりわけ、これから暑い夏を迎えるにあたって、どのような日用品が最も必要とされているのか、村のリーダーや地域住民と相談を重ねながら、「夏対策」の支援物資配布の準備を進めています。
ピースウィンズはジャパン・プラットフォームからの資金援助を受けて、被害の最も大きかった地域のひとつであるトルコ南部のハタイ県のタニシュマ村とマデンボユ村で、食料品や生活用品の配布をおこなっています。村の暫定調査では、地震によって多くの家屋が全壊または半壊し、タニシュマ村の約8,000人、マデンボユ村の約4,500人の村人の多くが今もテントや仮住まいを続けています。
テントの外にいた親子と話しました
解体を待つ建物の脇に置かれたコンテナハウス
政府やNGOが提供したさまざまなテント
これまでの訪問と調査によって、これらの地域で夏場に最低限必要な生活物資が不足していることが明らかになりました。ピースウィンズのスタッフがテントで生活している家族を訪ねたところ、多くはシングルベッドがやっと3つ入るくらいの空間に6人以上で生活していました。日中、テントの中は45度を超える厳しさです。仮設のコンテナ住居も徐々にできていますが、その数はまだ少ない上に、広さも涼しさもテントとあまり変わりません。そのため、テントや仮設住宅に住む多くの家族は、日中は外で過ごし、日が暮れて息苦しさが少し和らぐ程度になると室内に戻ってきています。
マデンボユ中心部のテントの中の様子
テント暮らしには、もうひとつの悩みもあります。テントによっては地面を覆うグランドシートがないため、外から虫やヘビが入ってくるのです。
話をしてくれた村人は、10人で4つの小さなテントを分かち合って使っており、テントのひとつをキッチンとして使っています。「狭くてとても原始的なもので、申し訳ない」と、恐縮しながら案内してくれた彼女は言いました。そのキッチンにもグランドシートはなく、ガスコンロひとつと調理器具や食器類が少しあるだけでした。
テント内部に作られたキッチン
タニシュマ村で訪ねた人からも、同じような話を聞きました。家が大きな被害を受け、取り壊し工事を待っているこの一家は、小さな桑の木が日陰を作っている農地にテントを張りました。「風がないと、夕方は暑くて耐えられないことがあります」と、その家の息子は言い、せめて扇風機があれば、蒸し暑いテントの中でも空気を循環させることができると話しました。
このような状況を踏まえ、ピースウィンズは、日除けのための遮光ネット、貯水タンク、扇風機、クーラーボックスなどが最も必要とされるアイテムであると判断しました。また、蚊やその他の虫が感染症をもたらす恐れがあるため、蚊帳やグランドシートも配付します。これら合計2,450セットの「夏対策」物資をタニシュマ村とマデンボユ村に加えて、アウスユ村とボズホユック村にも活動を拡大して、4つの村で7月中に配布できるよう急ピッチで準備を進めています。引き続き、みなさまからのご支援をよろしくお願いします。