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私たちの活動

【ウクライナ】隣国のモルドバに逃れてきた人々に温かい食事を

ロシアがウクライナに侵攻してから1年半が過ぎました。モルドバに避難してきた人の数は戦況によって増減してきましたが、今年6月以降また増加傾向にあります。そうしたなか、ピースウィンズはウクライナから避難してきたばかりの人が多く入居する民営の一時避難所を昨年4月から現在まで支援し続けてきました。避難してきた人々が安心して心と体を休めることができるよう、避難所内の環境を整えて、温かい食事を提供しました。その様子をお伝えします。
 


一時避難所でのランチタイム

 
この避難所を運営するのは提携団体NCUM(National Congress of Ukraine in Moldova)。避難所は、モルドバでの滞在許可証の申請・発行の手助けをしたり、次に住むアパートが見つかるまでの不安な避難生活のはじめの一週間を支える拠点となっています。他の避難所の多くが大学の寮などを利用しているのに対して、NCUMが運営する避難所は集合住宅の1階にあってお年寄りや子どもも利用しやすく、ペットを同伴することも許されています。
 


猫と一緒に避難してきた家族

 
●増減する避難者数
 
昨年2月にロシアによる侵攻が起きた直後、ウクライナからの避難民にとってモルドバは、ドイツなど西ヨーロッパ各地に向かう大型バスが出発するまでの数日間待機する中継地でした。そのためにモルドバで待機する人が大勢いましたが、その後、避難してくる人の数は少し落ち着いたように見えました。ところが今年6月にウクライナ南部ヘルソン州でダムが破壊されて被害が広がったことでモルドバに避難する人が増えました。さらに最近は、南部オデーサなどへの攻撃が激しくなったことで、また避難者は増加傾向にあります。
 
さらにNCUMのスタッフによると、最近「子ども連れ、特に大きな子どもの避難が目立つように感じる」と言います。18歳以上の男性はウクライナを出国できないため、子どもの将来を考えて避難を決意した家族が増えていることが背景にありそうです。統計上の避難者数の推移だけでは見えてこない、将来への不安、それぞれの人生模様、悩んだ末の決断の難しさが浮かび上がります。
 
●チャイルドフレンドリースペース
 
子ども連れの人々が安心してくつろげるように、ピースウィンズとNCUMは避難所にチャイルドフレンドリースペースを設置し、保護者が安心して子どもたちを遊ばせることができるようにしました。また暖房器具を購入するといった支援も行いました。
 


チャイルドフレンドリースペースで遊ぶ子どもたち

 
●温かい食事
 
さらにこの一時避難所では、1日3食の温かい食事の提供に加えて、生鮮品(果物や乳製品)や子どものおやつにもなるようにヨーグルト、果物やビスケット、お茶などの食品も常備し、好きな時に食べられるようにしました。また、ペット連れの避難民にはペットフードも配布し、それぞれのニーズに可能な限り寄り添った支援が行われるよう心を砕きました。夏場は食中毒が起きないよう食事の保管の仕方にも気をつけました。
 


 

季節に合わせたメニューで温かい食事を提供しました

 
NCUMのスタッフは避難所に滞在する人の数から予想される必要な食事の数を週ごとに業者に連絡し、できる限り温かい食事が提供されるよう、配達のタイミングにも細心の注意を払いました。届けられたミールボックスは決まった場所に置かれ、到着が告げられると、各自が取りに来るように調整しました。献立は季節に合わせたものを用意しました。
 
●ウクライナから避難してきた人がボランティアに
 
ロシアが侵攻した直後にモルドバに避難してきたヴァレンティーナさんは、NCUMでの避難所の生活が1年を過ぎました。そのため誰よりも避難所の勝手を知っている彼女はNCUMの避難所ボランティアとなり、新たにウクライナから避難してきた人々を助ける仕事についています。避難所での食事の提供の指揮をとっているのも、ヴァレンティーナさんです。
 


食事を受け取った人のリストを確認するヴァレンティーナさん

 
ピースウィンズはこれからも、モルドバ国内でもウクライナから避難してきた人々への支援を続けていきます。
 
この事業は提携団体NCUMと協働して、個人・法人のみなさまのご寄付並びにジャパンプラットフォームの助成によって実施されています。
 

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