【ハワイ・マウイ島】マウイ出張報告①~マウイ火災で被災した動物保護支援~
2023年8月8日未明に発生したアメリカ合衆国ハワイ州マウイ島における大規模火災。火災発生2週間後にピースウィンズは初動調査のために現地入りをし、すぐに現地の動物保護支援を行う団体への活動を開始しました。また、10月末より現地の提携団体2団体と共に被災コミュニティに向けた心理社会的支援活動を開始しました。
火災から4カ月経ったラハイナの町の焼け跡。復興と再建に時間を要しています。
火災発生から4カ月が経った12月、ピースウィンズスタッフ2名がマウイ出張に行ってまいりましたので、現地の状況報告を2本立てでお送りします。出張報告①は、皆様のご寄付から成る動物保護支援に関してです。
HARFを訪問してまいりました
火災発生直後の8月中旬から下旬にかけて、ピースウィンズは初動調査のために現地入りをし、ハワイ動物救護財団(Hawaii Animal Rescue Foundation、以下HARF)と出会いました。火災で影響を受けたのは人びとだけではありません。多くの動物たち、ペットたちも火災で飼い主や住まいを奪われ、トラウマを受けていました。また、飼い主が無事でも、ホテル等、政府が用意した避難所で生活している場合、ペットが禁止されているため、一時的にHARFが保護している動物もたくさんいました。避難生活の終わりが見えない中、動物たちは飼い主の帰りを待ちながら、またトラウマを抱えながら日々過ごしています。ピースウィンズは、火災発生直後から現在に至るまで、継続的にHARFが動物保護に必要とする物資調達や獣医費の寄付を行ってまいりました。
12月の出張では、HARFを再訪し、代表のDawnさんやチーフのRichardさんにお話しを伺うことができました。
HARF代表のDawnさんとピースウィンズスタッフ
HARFチーフオペレーションオフィサーのRichardさんとピースウィンズスタッフ
Dawnさんによると、HARFに送られてくる物資、特に動物用コットは、頑丈なものでなければ大型動物の重みや幼い動物の噛りつき(歯固め)によって 、早くて2週間で壊れてしまうそうです。折角善意でいただいたコットや物資も、こういった理由で2週間という短期間でごみとなってしまうこともよくあるそうです。離島であるマウイでは粗大ごみの処理も問題となることから、大変困っているとのことでした。
ピースウィンズは、HARFにヒアリングを行い、先方が指定する頑丈で長持ちするペット用コットを購入することにしました。
寄付から数週間で壊れてしまったコット(上)vs. HARFが指定する頑丈なコット(下)
HARFでは生まれたての動物から大型動物まで、様々な動物を保護しています
おやつを待っているところでしょうか。動物たちは日々懸命にサポートしてくれるHARFスタッフと強い絆で結ばれているようでした
また、Richardさんからは火災発生から4か月経った今だから見えてくる課題についてお話を伺いました。火災発生当時、特に猫や小型犬などの小動物は排水溝等の狭い場所に避難し、火災を逃れて生き延びることができました。しかし、歴史あるラハイナの町で焼けた建物の中には、有害性が高いとされるアスベストなどが含まれていた可能性が高く、火災発生から数か月間は被災地への立ち入りが禁じられていました。この理由から、狭い場所へ避難した動物たちは保護されずに取り残されてしまい、煙やアスベスト等の有害物が混在する空気を吸って、汚染された水や食べ物に頼って生き延びていました。こういった動物たちが今になって保護され、HARFに移送されているのです。ピースウィンズは、9月にこのような動物の治療代や薬代を支援しました。しかし今後は、肺がん等の健康問題が現れて、獣医費がますます求められてくることが懸念されているそうです。
飼い主との再会を待つ保護猫
もともとペットとして飼われていた犬や猫は、人の温もりが恋しいのかピースウィンズスタッフに寄って来ては撫でてもらっていました。一刻も早く、マウイの復興が進み、ペットと飼い主の再会が果たされますように。
Richardさんが近寄ると撫でてもらいに近づいてくる保護猫
ピースウィンズスタッフと戯れる保護犬
なでてー!と甘えてくる保護猫
日本でも犬の保護事業を展開しているピースウィンズだからこそ、国は違えど同じ目標を持って分かち合える事業です。引き続き皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。
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