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私たちの活動

井戸建設も佳境~雨との「追いかけっこ」は続きます

ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)は、2008年1月よりジョングレイ州の州都ボーから約300キロ北のアユッド郡で井戸建設を進めてきましたが、先週までに同郡での井戸掘削を完了し、計画していた井戸15本を完成しています。井戸建設チームはその後南下し、デュック郡で2本、トゥイッチイースト郡で1本の井戸を完成、3郡を合わせると、井戸の本数は合計18本となります。

スーダン南部では、今年は4月にすでに降雨がみられ、雨期の訪れが例年よりもひと月近く早いようです。もともとアクセスの困難なコミュニティに、大型の井戸掘削機械を持ち込んで行う井戸掘削作業は、雨で道が通行できなくなる前に終えなければならず、その後に行う、「エプロン」と呼ばれる、セメントで作るハンドポンプの土台部分の施工についても、雨が続いてしまえば、乾くまでに時間を要し、井戸が使えるようになるのが遅れてしまうため、PWJは近づいてくる雨に急き立てられるように、この事業を進めてきました。
この日は完成した井戸を引き渡すにあたり、コミュニティの井戸管理委員会のメンバーや、コミュニティ・チーフを対象に、井戸のきれいな水を使って健康に暮らすために注意する点や、ハンドポンプの取り扱い方などを紹介するワークショップ(研修会)を、ガール(Gaar)というコミュニティで開催しました。このワークショップには、PWJが井戸を建設した近くのワイ(Wai)というコミュニティの人びとも一緒に参加しました。

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PWJスタッフの話を聞くワークショップ参加者
(C)PWJ/Masaharu SAITO

コミュニティの片隅の木陰に参加者が集まり、PWJのプログラム・アシスタントが、絵を多用したプリントを配って、井戸管理委員会の役割や、井戸から汲んだ水の汚染を防ぐ方法などを説明していきます。時々冗談を交えながら、参加者からの水をめぐるエピソードにコメントしつつ、人びとの理解の度合いを確かめて、ワークショップの前半を終了すると、いよいよ実技編の始まりです。参加者は井戸の周りに移動し、ハンドポンプのカバーを開け、内部を見せながらチェーンをつないでポンプから水が出るようにする作業を行います。
それまで遠巻きに見守っていたコミュニティの子どもたちも、「水が出るよ!」とばかりにあわてて井戸のところへやってきます。チェーンをつなぎ、カバーを閉じて、レバーを上下すること数十回。なかなか水が出てこないこともあり、私たちもドキドキハラハラする瞬間です。ほどなく水が流れ出すと、女性や子どもたちが「ジェリカン」と呼ばれる容器を持って、あっという間に井戸のまわりに集まってきます。

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ハンドポンプを使おうと集まる子どもたち
(C)PWJ/Masaharu SAITO

最後に井戸の維持管理用の工具類をコミュニティ・チーフに渡し、井戸の引き渡しが終了します。本格的な雨期の到来を目前に控え、どうにかこの日の引き渡しを終えることができました。これで一安心といいたいところですが、まだワークショップを開く予定のコミュニティが残っていて、今週もスタッフはアユッド内を忙しく動き回っています。雨との追いかけっこはまだしばらく続きそうです。

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Gaarの子どもたち
(C)PWJ/Masaharu SAITO
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