井戸研修の最後は女性たちの踊り
ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)はスーダン南部、東エクアトリア州マグウィ地域で井戸建設を進めています。現在、まさに掘削の真っ最中で、掘削予定の井戸11本のうち9本を掘り終え、完了した井戸を村へ引き渡すときには、井戸維持管理のためのワークショップ(研修)を行っています。このほど井戸が完了したイクワ村で維持管理ワークショップを行いましたが、最後には女性たちの踊りも披露されるど、歓迎ムードいっぱいのワークショップとなりました。
(C)PWJ
マグウィ地域は、ウガンダ国境に近いため、内戦中は多くの住民がウガンダに逃げたと言われています。このためこの地域のほとんどの住民が英語、もしくはアラビア語を話すことができ、これまでのマグウィ地域ではワークショップでは英語ないしはアラビア語を使用言語として実施してきました。しかし、イクワ村では、使用言語を統一することが難しかったため、ワークショップはアラビア語で行われ、アラビア語のできる住民の代表が逐一マディー語という現地語に通訳しながら進められることになりました。
ワークショップでは、まず水管理を行う「水管理委員会」の役割などについて話し合い、その責任について確認します。また、水の正しい知識、衛生に関する知識について絵を用いてみんなで議論したり、他の井戸の良い例や悪い例を写真で見ながら、どのように管理していくべきかなどについても議論をしながら考えていきます。最初は5名程度だった参加者も、だんだん参加者が集まりだし、最終的には合計で25名くらいの参加者が集まりました。
写真右:修理方法を実演する住民達 (C)PWJ
ワークショップの最後は、実際に井戸の周りに集まり、ポンプをつなぐ最後の部品を自分たちで取り付け、簡単な修理方法などを実際にやってみます。実習が終わり、ようやく水が出るようになると、ワークショップは終了です。
今回のワークショップでは、イクワ村の「水管理委員会」のメンバーの1人でもある、女性のイクワ村長が中心になって女性参加者たちから積極的な意見が出されていたのが、とても印象的でした。スーダンでは水くみは女性の仕事のため、井戸や水のテーマでは女性の意見が欠かせません。
(C)PWJ
ワークショップが終了すると、女性たちが集まり、「いいことがあるとこうやって踊るのよ」といって輪になって踊りを披露してくれました。イクワ村ではこの元気な女性たちや水管理委員会を中心に、住民の方々がしっかり井戸を守っていってくれることでしょう。
*この事業は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)などからの協力も得て実施しています。