【トルコ・シリア地震】「必要な人に必要な支援を」世界中が力を尽くした一週間
ピースウィンズは、2月6日の地震発生当日にすみやかに緊急支援チームを派遣。現地でニーズの調査を行いながら、支援の届いていない地域で物資支援を続けてきました。
発災から一週間が経ちましたが、物資が十分に届かず、継続的な支援が必要な地域はいまだあります。
「もう、イスケンデルンという街はない」
大きな被害を受けた故郷の街について、そう話した被災者の方。
私たちが訪れた郊外の街では、余震での倒壊を恐れ、壊れかけた家に入ることができずに厳しい寒さに耐えながら路上で避難生活を送る人々に出会いました。
アクセスしやすい街の中心部にはある程度支援が届いていましたが、こうした郊外の人々は取り残されたような状態です。
ニーズ調査の結果を元に、チームは物資を調達。物資を1家族分ずつ梱包する作業には、現地トルコの方々が手を貸してくださいました。支援は、私たちだけでなく、こうした現地の方々の「自分にもなにかできないか」というあたたかい気持ちが集まって実現しています。
用意された物資は、ニーズ調査の際に訪れた街にも届けることができました。
避難所から遠く、やっとのことでたどり着いても、すでに何も残っていなかったというご家族にも、水や食料、衛生用品、ストーブやペットフードを届けました。
被災者の中には、障害を持った方も大勢います。避難することが困難な身体の不自由な方々への支援が今後も必要とされています。
被害の大きい地域アドゥヤマンの病院では、暖房器具やテントが足りていないという報告が上がっていました。実際に訪れてみると、患者さんは大型テントで雑魚寝をしているような状態で、診療にあたる医療スタッフがゆっくり体を休める場所もありません。
そこで、台湾から大型のテントを手配。台湾の企業からの寄贈や寄付もあり、110張のテントがトルコへ発送されました。テントは2月15日にトルコに到着し、病院に提供されました。
こうした、いまだ支援が届かない取り残された地域には、移動手段を持たなかったり、身体が不自由だったりと、支援を受けにくい人々がいます。
スタッフの矢加部は「行政の支援から零れ落ちたニーズにしっかり応えていくのが、私たちNGOの大事な役割だと思っています」と語りました。
世界中のたくさんの人々が、トルコの人々の無事を祈った一週間。
私たちは引き続き、皆さまの想いと共に支援を届けます。